この日は金魚カフェという喫茶店をレンタルスペースとして貸し切っての撮影。大正14年に建てられた長屋を再生してカフェにしたそうで、こういうレトロな場所で撮りたいという欲もあり、とても楽しみにしていた。

大正時代の長屋だから2階の一部屋は6畳くらいのスペースだろうか。横から抜いて欲しいと言われ、しかし窓は作品のイメージに合わないから写したくないという事で、斜め横に立ってみたがどうしても窓が写ってしまう。

どうしたものかと訊いてみると、レイヤーさんがあちこち動いて構図を取っていた。この位置からなら窓が写らないと言われる。手前の引き戸を暈かして撮るような形でと言われて、つけていた55mmの単焦点レンズのままで撮ってみると、これがとても巧く仕上がった。尊い･･･。

指示してくれたレイヤーさんは普段はカメラもやっている人で、以前Twitterの方でもTLに写真が流れてきたのだが、いつも見慣れているハコアム大阪のあのスペースで全くイメージが異なるように手前を暈かして撮っている写真を見て「これは凄い」と感嘆したものだったが、今まさにその技量を目の前で見ていることになる。

他の撮影シーンでも度々スマホ片手に熱心に動き回って構図を取っていた。我もその姿を見てその技量にあやかりたし。教わることの多い撮影もまた楽しい。