背景をキラキラにして素敵なライブハウス風写真を撮る! – ストロボを使えば劇的に写真が変わる

ストロボを使えば劇的に写真が変わる。
ストロボを使えば劇的に写真が変わる。

最近撮影した写真をTwitterの方にまとめて掲載しようとデータを漁っていたら、懐かしい写真が出てきた。我ながらお気に入りの写真である。

撮影場所は日本橋コセット。西の秋葉原と呼ばれる大阪日本橋ヲタロードにある商業ビル3階に構えていたが、今からちょうど2年前に閉館となった。

内装は白ホリゾントや、古い西洋風の部屋、ライブハウス、カラーボックス、カラーボールプール、ファミレスなどが揃っていた。コスプレイヤーの説によると、当時大人気だった『ラブライブ!』を見越した内装をあつらえたが、同じ時期に『刀剣乱舞』が大流行し始めて、レイヤーの趣向が「とうらぶ」の方に流れてしまい、和室のスペースが1つもなかったので、余り客が入らなくなったのではないかという事だった。刀剣乱舞のコスプレで撮りに行こうと思ったら、野外ロケか和風スタジオで撮る事になるから合点がいった。実際訪れた時はいつも客が少なかったから、採算が取れずに閉館となったのだろう。

しかし利用者側からしてみると、客が少ないのは快適極まりなかった。チケットはハコアムよりも500円ほど高かった記憶はあるが、人が少ないしワンフロアなのでハコアム大阪と違って階段の上り下りがなくてレイヤー兼撮影者としても非常に楽だった。オタクの街という立地も良かった。雰囲気を味わえるし、アフターで訪れることができる飲食店も多い。問題は駅から歩いて15分から20分かかることだった。ハコアム大阪が駅から徒歩1分なのと比べると、カートを引き機材を抱えて15分から20分歩くのはやや疲れる。

日本橋コセットの内装のほとんどは、ハコアム大阪の大改修の際に引き継がれることになった。カラーボックスやカラーボールプール、ファンシーな部屋や洋風の部屋の内装や家具などがハコアム大阪に引っ越した。

日本橋コセットで最も好きな撮影場所はライブハウス風のスペースだった。ストロボを使って撮るのが楽しい。過去の写真を漁っていたら、ちょうど日本橋コセットのライブハウスのスペースで撮った写真が出てきた。青いドラムはハコアム大阪の広いライブスペースに引き継がれたが、肝心の後ろのクリスタルの簾は引き継がれなかった。

写真をサッと確認してみると、当時はまだソフトボックスを使っておらず、アンブレラで撮っていた。しかし男装を撮るならやはりソフトボックスの方が陰影を着けやすいから決まる感じがする。男装なのになんとなくアンブレラだなぁとふんわりしてるなぁという質感。

85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
55mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
55mm | F1.4 | 1/250s | ISO100

アンブレラのせいかとも思ったが、問題は他にありそうだ。恐らく開放F1.4で撮影している上に、アンブレラが写り込まないように被写体から大きく離しているために、やや芯のない光の質感になったのだろう。ストロボの光量も弱いせいで廊下の蛍光灯などの光の影響を受けている可能性もある。

しかし実際筆者が撮って貰う時は、男装でもソフトボックスよりはアンブレラの方が良いと実感した。ソフトボックスは肌の質感がやや硬く写る感じがしたからだ。

背景を暈かしつつ暗く落としたい時のカメラの設定

85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100

カメラの設定はF1.4・シャッタースピード1/250秒・ISO感度100。

F1.4で背景のクリスタルの簾を思いっきり暈かす。背景を暈かすためモデルにはなるべく手前に来て貰う。背景をできるだけ暗く落としたいから、シャッタースピードはストロボ使用で可能な限り速く設定する。キヤノンの場合は1/250秒となる。これ以上速くするとストロボ光が極端に暗くなる。ISO感度は同じ理由、できるだけ背景を暗く落としたいからISO100。この当時は高輝度側・階調優先の機能を知らなかったので使っていなかったが、後ろからの光が当たって白いスーツが白飛びしている以外は白飛びは認められず、逆に白飛びしていることでライブハウスの臨場感を出せている。

使用レンズはOtus1.4/85。撮影日は2015年6月だから、この弩級レンズも3年以上使っている事になる。開放F1.4でパープルフリンジが出ないシャープな写りのするレンズを使うのは極上の体験だ。最近はキヤノンからも開放撮影での収差が少ないレンズが出てきているが、やはり値が張る。

ストロボは左上からアンブレラ、右後ろからモデルに向かって裸のストロボ1灯、背景のクリスタルの簾に向かって、紫のカラーフィルターを噛ましたストロボを1灯。計3灯だが、ひょっとしたら右下にもアンブレラで透過させたストロボ光が光っていたかも知れない。

次の2枚は横構図で撮影したものをレイヤーさんが縦構図にトリミングした。画素数が大きいと、こういうワザも使えるから良い。

85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
85mm | F1.4 | 1/250s | ISO100
55mm | F4 | 1/200s | ISO100
55mm | F4 | 1/200s | ISO100

やはり暗い場所ではアンブレラよりもソフトボックスを使った方が背景を暗く落とすことが出来そうだ。光をコントロールしたいならソフトボックスだろう。