etoile studio

試行錯誤でイメージを追求する

様々なアイデアの中から試行錯誤して撮る。
様々なアイデアの中から試行錯誤して撮る。

作品のイメージに合うように撮影するには作品を知っているコスプレイヤーから少しヒアリングすれば良い。大体どういう感じで撮れば良いかという事が理解できれば、後は撮影者の記憶から最も最適な絵を再現できるようにカメラの設定やライティングを組む。長い人生で映画やドラマやアニメを観てきたなら、またスポーツ観戦などをしてきたなら、テレビのニュースやドキュメンタリーを見てきたなら、雑誌に掲載されている写真やポスターその他様々な作品に触れてきたなら、そうでなくとも日常に溢れている光景を豊かな感受性で目にしてきたなら、どのように撮れば良いのか自ずと引き出しは開いていてそこから記憶が舞い降りてくる。

コスプレイヤーが求めている写真はいきなり出てくることもあれば、カメラマンが試行錯誤することで到達することもある。今回は少し試行錯誤して打ってつけのライティングで写真を撮る事が出来た。

まずはグリッドを付けたソフトボックス1灯で撮影した。顔だけ明るく綺麗に撮れたが、少し絵が硬い。次にライトスタンドを高く伸ばして、何も装着していないストロボを斜め下に向けて街灯の光を再現することを試みた。しかし今度は顔が暗くなった。また光の質感が古臭い水銀灯というよりも、舞台の綺麗な照明のような質感になった。ストロボ用の小型グリッドを持ってこなかったのも巧くいかなかった要因の1つだ。

再度ソフトボックスで、後ろからもストロボを光らせて撮影。被写体だけ明るく、体の縁にも光が帯びている綺麗な写真に仕上がった。しかし雰囲気がどこか欠けている。

そこで思い切って後ろに設定してある三脚に取り付けたストロボのみで、色温度を3800Kにして夜のイメージで撮影してみた。すると上手くいった。レイヤーさんも大はしゃぎ。

まず始めにこの写真のイメージを求めていたというわけではないが、試行錯誤することで双方が納得のいく写真が撮れた。正面からはストロボを当てていないので顔は暗いのだが、背後からの強烈なストロボの光が良い味を出しており、顔の暗さをデメリットからメリットへと転換させている。

カメラの設定はF2、シャッタースピード1/250秒、ISO感度200。

model:Kai
model:Kai

F2にした理由は背景のストリート風の壁画が暈けすぎないように、また解像感を得たかったのと、モデル自身が暈けすぎないようにしたという理由もある。同時に或る程度のボケ表現も欲しかったのでF2に落ち着いた。

シャッタースピード1/250秒は、全体をなるべく暗く落とすため。夜のイメージで撮影したかったのでカメラの設定は暗くなるようにISO感度も200にした。100でないのは、ウィッグが黄色でTシャツが白だったので白飛び防止の観点から高輝度側・階調優先モードをOnにしたため。弧の機能をオンにすると、最低ISO感度は200に上がる。

床に反射した強い光も美しい。
床に反射した強い光も美しい。

使用レンズは単焦点レンズOtus1.4/85。85mmの焦点距離となる。スタジオでも85mmの中望遠レンズが余裕で使えるのがハコアム大阪の強みでもあるだろう。

空いている時なら135mmも使えるのではないだろうか。この日は4人くらいしか更衣室にいなかったとレイヤーさんから聞いた。他のレイヤーの組をほとんど見かけず、ほぼ貸切状態だった。

ちなみに撮影中は壁際に置いてあった座り心地の良い椅子にオットセイの様に寝そべってシャッターを切っていた。