開放F1.4で雪のような肌に撮る

55mm | F1.4 | 1/60s | ISO200
55mm | F1.4 | 1/60s | ISO200

随分以前にスタジオでアンブレラやソフトボックスを使って50mmや85mmの単焦点レンズF1.4で女子をアップ目に撮ると、どうも目以外がボケすぎてフンワリはするけれど全体的に解像感の弱い、また顔が白飛びしやすかったり、肌がなだらかにボケてシュワシュワッとした質感の描写になるという記事を書いた記憶がある。

そこでスタジオでストロボを使って開放F1.4で撮る時にはあまりアップ目に撮らない方が良いかなと感じていたのだが、先日の撮影時にイラストを見せられて「フンワリとしたイメージで撮って欲しい」と言われて、単焦点レンズを使って開放F1.4で撮ってみるとこれが思いの外うまくいき、レイヤーさんにも気に入って貰えた。

見せて貰ったのはスマホゲームのイラストだから、人物の描写は当然全体的にシャープである。背景の方がちょっとピンクがかっていて、丸暈けがいくつもあって、男性でありながら少女漫画のようにふわふわな感じのイラストだった。

フンワリと撮るならF1.4の単焦点レンズで撮るに限る。思いっきり暈かして撮ればふわふわになる。そうして55mmの単焦点レンズでF1.4に設定して撮ってみると、フンワリとしてまさにイメージしていた通りだと、とても喜んでくれた。使用レンズは55mm単焦点レンズのOtus1.4/55と、85mm単焦点レンズのOtsu1.4/85。

カメラの設定は、F1.4の他、ISO感度200は白飛び防止の高輝度側・階調優先モードをオンにしたため。シャッタースピードは1/60秒や1/80秒。デジタルカメラで手ブレしないセオリー《1/焦点距離×2》秒よりも半分遅い設定。油断するとブレるが、しっかり構えていればブレない。ブレたとしても、ここに掲載している内の一枚で若干手ブレしている写真があるが、この大きさで載せるとブレが分からない。

55mm | F1.4 | 1/60s | ISO200
55mm | F1.4 | 1/60s | ISO200

撮影者側としては、瞳以外はなだらかにボケる描写だからこれでいいかと何度も聞いたが、これでいいという。要は以前女の子のキャラを単焦点レンズで開放F値で思いっきりボカしてアップ目に撮った時の記憶がどこかで先入観を抱かせていたのだろう。そうして撮った写真も白飛びにさえ気をつけていればいい写真だったかも知れないし、ちょっと手直しすればお気に入りの写真になるのではないか。

瞳以外はボケると書いたが、ピントを合わせた瞳に対してレンズと平行の部分はピントは合っている。しかし若干上から撮ると唇はボケるし、正面から撮ると顔の両側、髪などもボケる。これが良いふんわり感を演出している。まるで雪のような肌に撮れた。レイヤーさんが若干彩度を上げてTwitterに上げた写真を使用しているので、元の写真の色味に関してはご想像にお任せするが、なだらかな暈けは淡い雪のようにとろけていく。

85mm | F1.4 | 1/80s | ISO200
85mm | F1.4 | 1/80s | ISO200

背景の方はピンクのカラーフィルターをストロボに取り付けて壁に向かって光らせた。こちらも上手くいったが、つり下がっているお姫様カーテンの中に入ると背景がうまくピンクにならない。お姫様カーテンが重なるので邪魔をしているのだろうか。それとも後ろの水色のオーガンジーが原因だろうか。何でだろうなと家に帰ってデータを観たら、ちゃんとうっすらとピンク付いていた。やはり手前のお姫様カーテンが重なっていたからピンクが薄く見えただけだった。撮影現場でのカメラの液晶画面からだけでは確認できないこともある。