ピンショットの撮影技法 – スタジオでの人物撮影はズームレンズが撮りやすい理由

ピンショットの構図を掘り下げる。

ピンショットは難しい。カメラマンの自由裁量に任せられる部分が多いからだ。ツーショットやスリーショットならまだ構図は限られてくる、また大型合わせの大人数集合写真なら、1度立ち位置が固定されてしまうと後はカメラマンが適切なカメラの設定とライティングを施せば、シャッターを押すだけの作業となる。

しかしピンショットとなると事情は少し異なってくる。まずはポージング指定。これはモデルに任せることも出来るがカメラマンから指示した方が良いこともある。するとどのようなポージングを指示すれば良いか、カメラマンは頭を働かせなければならない。次に構図。モデルが取っているポーズに対してどの構図が良いのか悩むことになる。更にはレンズ。50mm前後の標準レンズで暈かすべきか、35mmで全身を撮るべきか、24mm過疎零下の超広角レンズダイナミックに撮るべきか。どれもポージングに対して要求される理想的な構図やそれを導き出してくれるレンズ(或いはズームレンズを使用しているなら焦点距離)が異なってくるように思われてくる。

人数が多ければ多いほど、構図やレンズはそれに比例して絞られていくが、ピンショットは完全にカメラマンの自由裁量、カメラマンの世界観が要求される。

今回はピンショットを撮るときの考え方について考察していきたい。(全文:1,900字)

今回の撮影で使用したレンズ