動画風の色味にRAW現像する方法

動画風の色味の写真に仕上げたい。

筆者はRAW現像ソフトにCanon Photo Professionalを使用している。キヤノンのカメラユーザーだけが使える無料の高性能RAW現像ソフトで、5年以上前にVer4が登場してから飛躍的に機能が向上したが、adobe Lightroomと比べると出来ることは限られている印象が強い。そう感じるのは、昨今の写真の流行がHDR風のフォトジェニックな絵作りに振れているためだ(批判的な人に言わせればギドギドの写真)。Lightroomを使えば簡単にその手の写真に仕上げることが出来る。

と言ってもadobe lightroomは有償で、Photoshopと併せたフォトプランで1ヶ月980円。またLightroomの方は出来る絵作りといいスピードといい高性能すぎるので、それと比較するとCanonのRAW現像ソフトが見劣りするだけで、通常の無理のない無難な仕上がりで、プレビューやレスポンスのモッサリ感、大量のJPEG変換保存の時間のかかり具合を気にしないのならば、CanonDPPで充分だ。モッサリ感やJPEG変換速度に関してはパソコンのメモリを追加したり、最新の高性能パソコンに買い換えれば或る程度は解決できる。

4年前に購入したiMac 2017で32GBのメモリを積んでいるが、CanonDPPはやはりレスポンスにモッサリ感がある。今話題のM1を積んだMacのパソコンに乗り換えたら、このモッサリ感は解消するのではないかと期待を寄せている。

RAW現像ソフトはどれも大体直感で使えるので、これを変えたらこういう絵作りが出来るということを体感で覚えていく。

しかし先日、或るコスプレイヤーさんから、動画のような色味の絵作りをして欲しいと頼まれたことがあった。カメラの設定では無理だったので、家に帰ってからCanonDPPであれこれ直感的に弄ってみたのだが、彼女の言うような色味になかなか仕上がらない。諦めかけていたところで、そういえばこういうことも出来たし自分のブログでも紹介したな、どんな用途で使うのかは全く自分でも分かっていなかったけれど、とやってみると見事に彼女の求めている色味に仕上がったのだった。

今回の記事では、CanonDPPを用いて、一昔前の動画のようなムードのある色合いにRAW現像する方法を紹介したい。(全文:3,400字)

今回の撮影で使用したレンズ