スタジオ撮影におけるF値と彩度の理想的な相関関係 – 色素の薄い写真は色の濃さを上げて対処する

F4で撮影。Canon DPPで色の濃さを+0.5上げている。
F4で撮影。Canon DPPで色の濃さを+0.5上げている。

コスベルLスタジオにコスプレ撮影に行ってきた。この日のコスプレイヤーさんは以前にも何度か撮影をご一緒させて頂いたコスプレイヤーのねむさん。

たまに当ブログの記事を読んでいると、関連記事にねむさんの写真を掲載した記事のサムネイルが出てくるのだが、ちょっと寒色寄りにRAW現像で調整しすぎたかなとやや後悔の念が残る撮影だった。

ウィッグの白飛びのこともある。当時は白飛びを防ぐための高輝度側・階調優先の設定を知っていたかどうか、ちょっと記憶にないし、外付けハードディスクからデータをひっぱてきて確認するのも面倒だし、そもそもその機能を使ったところで白飛びしやすい水色のウィッグの白飛びを防げたかどうか怪しいものがある。

また寒色系に寄ったもう一つの理由として、開放F値1.4辺りで撮っていた点も上げられる。F1.4のような設定でスタジオで撮ると、自然光が入らない場所でもスタジオの天井の照明でそこそこ明るく撮れるので、ストロボ光は極力弱めなければならない。それでもまだ明るいようならソフトボックスやアンブレラをモデルから離さなければならない。そうするとどうなるかというと、天井の蛍光灯や窓から入ってくる自然光など、そこら辺にある光とパリッとしたストロボ光が混ざって、コントラストの弱い、ふんわりとしたイメージの、色素の薄い写真に仕上がってしまう。

試しにストロボを焚かなければ、どのような写真が撮れるか。F1.4ならやや薄暗い写真が撮れる。その状態で微弱なストロボ光が被写体に上塗りされることになる。背景は良く暈けるが、メリハリの薄い写真にいなる。

今回は以前別のスタジオで撮った水着撮影と同じく、ごちゃっとした小物にたくさん囲まれた中での撮影なので、暈かすよりもシャープに撮った方が美しい絵になりやすいと判断した。そこでF値をF4やF5.6に設定した。ここまでF値を上げると、そこら辺の光の影響はほとんどなくなる。分かりやすい確認方法としては、ストロボを焚かなければ、真っ暗な写真になる。もしくはモデルのキャッチライトを見れば一目瞭然だ。F1.4で撮影した写真のキャッチライトは天井の蛍光灯がキャッチライトとして写り込んでいて、更に言及するならソフトボックスのキャッチライトは蛍光灯と同じくらいの明るさだ。。一方でF値を大きくして撮った写真のキャッチライトは、ソフトボックスやアンブレラの光がきちんと白く入っていて、開放で撮影した写真の時のように天井の蛍光灯はキャッチライトとしては比較的暗く写り込んでいる。

いっそのこと天井の蛍光灯を消して撮った方が良かったかなとも思った。演色性の問題だ。天井の蛍光灯をカメラで撮って拡大表示し、型番を確認してスマホで調べれば、メーカーの公式サイトに演色性の記述がある。しかしF5.6まで絞って撮れば影響は極軽微だろうし、ピントが合いづらくなるので蛍光灯は消さなかった。

肌の色素の薄い写真はRAW現像で色の濃さを上げる

同じ轍を踏まないために、RAW現像ではホワイトバランス微調整は行わなかった。一昔前はちょっと暖色よりに撮れることが多く、よかれと思って寒色寄りに調整していたのだが、最近は微調整しなくてもどういうわけか肌の色が綺麗に出るようになった。モデルによる違いだろうか。使い込んだストロボが変調を来したのだろうか、それともソフトボックスの紗幕が経年により変色したからだろうか。もしくはモニターの問題か?

F1.4で撮影した写真の彩度は、色の濃さを+0.8や+1に設定することで、色素の薄い状態を回復させた。F4やF5.6は+0.5前後と、写真に応じて色の濃さを設定した。初回撮影時の失敗点を克服できた。