赤みのある肌の色を整える方法

赤みがかった肌色の子をナチュラルな肌色に調整するには?
赤みがかった肌色の子をナチュラルな肌色に調整するには?

顔の明るさや色は人によって異なる。メイクをすれば更に異なってくる。白い顔の人もいれば、日に焼けた濃い色の顔の人もいる。コスプレの集合写真などを撮っていると、肌の色があまりにもバラバラな場合には、最終調整として肌の色を誰を基準にして理想的な色に近づくよう微調整していくかという事が問題になる。

今回はツーショット。右の子は白く、左の子はやや赤みがかっていた。このお二人とは結構長い付き合いなので、今までもちょっと顔の色味がどちらか一方が違うかなと薄々感づいていたのだが、この日は撮影で本人達から赤みが強いという指摘を受け、やはり何らかの微調整が必要かなと胸に留めておいた。

撮影時間は限られている。この日は12時半から撮影が始まり、退出が17時。つまり4時間しか撮影時間がないが、その限られた時間に2着、スタジオを生かした様々なカットで撮らなければならない。結論から言うと最後の1カットは時間の関係で撮れなかったのだが、こういう時に現場で試行錯誤してしまうと時間がもったいないから、パソコンの後処理で出来ることは、後処理に任せた方が良い。ここで言う後処理とはRAW現像のことだ。RAWモードで撮影して、家に帰ってからパソコンでじっくりと肌の色の微調整を行う。じっくりとと言っても30分もかからない。

キヤノンのDPPでも、AdobeのLightroomでも、それぞれの基本色に合わせて色相、彩度、輝度を変更できる項目がある。DPPの場合はレッド、オレンジ、イエロー、グリーン、アクア、ブルー、パープル、マゼンタの8色。色相環に従い上から順に並んでいる。

Canon Digital Photo Professionalの「色調整」の項目。
Canon Digital Photo Professionalの「色調整」の項目。

今回左の子の顔の赤みを取りたいという事で、レッドの色相を+5に変更してみた。すると赤みがやや緩和されて自然な色合いに落ち着いた。右の子の白い顔の色との差異も縮まった。+5にするという事は、色相をオレンジ色の方に寄せるという事だろうが、iMacの画面から見ると、レッドのカラーパッチがグラデーションに見えないから分かりづらい。しかし赤みがやや引いたからきちんと処理できていることは確かだ。

レッドの色相を+5に設定して赤みを若干抜く。
レッドの色相を+5に設定して赤みを若干抜く。
左の子の肌の赤みが若干緩和された。
左の子の肌の赤みが若干緩和された。

写真によってこの数値を増減させて肌色を整えていく。大きく変えてしまうと色が転んでしまいそうなので、本当はこの項目は余り大きく弄りたくはない。特に彩度や輝度を大きく弄ると不自然な色合いになったりバランスが悪くなったりする。例えば空や緑だけ彩度を濃くすると、写真の他の部分との釣り合いが取れなくなる。また同じ色合いの部分の色相や彩度や輝度も変わってしまうので、本来なら変えたくないところも変わってしまうという由々しき事態に陥る。

今回は幸いにして赤の部分が少なかった。クリスマスプレゼントを床に散らばらせて撮ったので、箱の包装紙の色が若干の影響を受けたが、+5前後の変更値なので、変更がそう目立つわけでもない。

彩度よりも色相を弄ったのは、彩度だと色相よりも色のバランスが崩れやすくなるからだ。レッドの彩度を試しに−2や−5にしてみると、肌色は赤みが抜けるが、バルーンやプレゼントの箱の赤みまで大きく抜けてしまい、ヴィヴィッド感がなくなる。色相を+5にした方が、バルーンや箱の赤みが保たれつつ、肌の赤みの色を若干緩和することが出来る。

色相を+9にしてみたが、これでもバルーンの赤みはほとんど抜けない。肌は赤みが抜けて理想的な色になった。隣の子の肌の色も問題ないから、これくらい大胆に色相を変更しても良かったかも知れない。ちなみにこの記事に掲載した2枚の写真はすべて調整後の写真となる。

ということで、Merry Xmas!

model: Nene & Kai
model: Nene & Kai