etoile studio

新選組の羽織だけの色をくすんだ水色(浅黄色)に変える方法

Canon DPPでアクアの彩度を-5に設定。
Canon DPPでアクアの彩度を-5に設定。

この日は彩度を落とした写真を撮って欲しいと言われた。その理由として、新選組の羽織の色をくすんだ水色に撮って欲しいとのことだった。今回の作例に登場するコスプレイヤーは5年ほど前に同じ太秦映画村で新選組のコスプレをしている姿を撮影した事があり、その際の写真をやや強めの彩度にして渡した記憶がある。写真全体の彩度はそこまで上げなかったが、羽織の色だけvividな水色にRAW現像ソフトで編集してお渡しした。

よかれと思ってやったのだが、レイヤー側の希望は相反していて、後から話してくれたことには、高彩度で鮮やかな水色ではなく、くすんだ水色で撮って欲しかったとのことだった。調べてみると、あの時代にこんな水色の羽織があったのだろうかと調べていた方がいて、ブログで記事にしていた。そのブログには浅黄色と呼ばれる羽織だったとの研究結果が記されていた。しかし実際のコスプレ用の羽織は強い水色。

RAWで撮ってあるから5年前のデータも編集すれば浅黄色の羽織にすることは恐らく可能だ。羽織の部分だけをvividな水色に編集したという事は、その逆も出来るという事だ。

今回は彩度を−2に下げて撮影していくことにしたが、それでも人によって羽織はvividな水色になる。コスプレ用の羽織の色も業者によってまちまちで、彩度強めの水色もあれば、浅黄色もあり、果てはヨモギ色に近い色もある。併せなどをすると、まちまちの水色になったりするというわけだ。

今回はお渡しする際にパソコンによる後処理で、羽織の水色の部分を浅黄色に、もしくはそれよりも渋い色になるように彩度を調節した。Canon DPPの場合は色調整のタブをクリックすれば、8色を基準にした色相や彩度、輝度などを変更できる。Adobe Lightroomに同様の機能がある。

Canon DPPの画面。アクアの項目の彩度を下げてみた。
Canon DPPの画面。アクアの項目の彩度を下げてみた。

この写真ではアクアの彩度(Saturation:飽和・彩度)を下げてみた。何事もそうだがやり過ぎるとバランスが崩れる。色相(Hue)を変更できるスライドもあるが、これもやり過ぎると色飽和を起こして色調の崩壊が起こる。

次に行燈の明かりだけで撮った暖色系の写真で試してみたが、こちらはアクアの項目の彩度を弄ってみても変わらなかった。羽織にオレンジ色の灯りの色が被っているからだ。ということはオレンジ辺りの彩度を下げてみれば変わるかなと思ったが、結果は思わしくなかった。なんだか変な色になる。そこで行燈の明かりだけで撮った暖色系の写真は、全体の彩度を−2下げるだけで、そのままにしておいた。

55mm | F1.4 | 1/80s | ISO3200
55mm | F1.4 | 1/80s | ISO3200

個別の色調整には難点もある。アクアの部分の彩度を落とせば、他のアクア系の部分の彩度も落ちる。冒頭に上げた写真の作例では、一番右の子の水色のカラコンの色の彩度が落ちてしまう。目は小さく写っているから、気にしなければそんなに気になりはしないのだけれど、例えば目が大きめに写っていた場合だと問題が生じる可能性もある。またアクアで影響を受ける色が写真の広範囲に渡る場合には、その色も変わってしまう。今回はアクアだが、例えば緑や黄色などを弄れば、周囲の木の葉の色も変わってしまうという事象が生じる。

対処法としては、たとえばadobeのLightroomでは色を変えたい部分だけブラシツールでマスクをかければ、その部分の色だけ変える事が出来るが、お渡しするデータが1,2枚だけとかならまだなんとかなるが、コスプレ写真の場合はお渡しするデータが1回の撮影で300枚以上時には1000枚を超えることがあるので、恐らくその中から編集が必要なデータを洗い出すとして20枚から100枚、当然そのような方法で個別に色を編集するのは現実的ではない。

今回はアクアで影響を受ける色の箇所が羽織と一人のカラコンの色だけだったから幸運だった。夜撮影というのもあるだろう。これが昼の写真だと空の色の彩度が落ちてしまう事も考えられるから得策とは言えないが、もしもの時のための方法論の一つとして覚えておいても損はない。