スタジオでピンショットを撮るときのF値の設定をどうするか、当時の撮影を思い出しながら考察していきたい。
基本的にスタジオ内の人物撮影の場合は絞って撮った方がくっきりと写るから良いのだが、どうしてもぼかしたくなるときがある。敢えて背景をぼかして主題のモデルを際立たせたいとか、背景をあまり主張させたくないときなどには小さいF値に設定する。
しかし今回の撮影場所は逆光でピントが合焦しにくかった。なら絞って撮れば良かったのだが、やはり背景をぼかしてあまり主張しないように撮りたいなという想いの方がピントの合わせやすさよりも強く、やはり開放F1.4で撮っていった。ふんわりとした光にしたかったし、背景のガラスをぼかしたかった。
前進での背景のボケは弱いが、ウエストアップで撮った写真の背景は良くボケていた。やはり被写体に近づいて撮ると、背景が良くボケる。
衣装のマントをひらっとさせたのも撮りたいということで、手の空いているコスプレイヤーさんにアシスタントで手伝って貰いながら撮ったが、逆光でピントが合わせづらい上に、あまり枚数が撮れないし、上手い形にマントが翻った瞬間を捉えるのも難しく、歩留まりが悪くなった。やはりピントが合う写真を撮るためには、絞った方が無難か。
次の2枚の写真は、F2.2とF4の写真の背景部分の切り抜き。モデルに背景のすぐ前に立ってもらって撮影した。焦点距離は55mm、全身が映る構図で撮影。
F2.2の方の背景のボケ具合はどうも中途半端だ。このような配置の場合は思い切り絞って撮った方がよさげである。
ちなみに更に足1つ分背景から離れて貰ってF1.4で撮ると背景は結構ボケる。
ピンショットの場合もカリカリに撮るだけでなく小さなF値で撮りたいと思うのは、スタジオがふんわりとしたイメージのところだったせいもあるだろう。結局のところ、ダーク系でもふんわり系でも、絞ってカリカリに撮ったり、背景をぼかして撮ったりと二通りの撮り方が出来る。