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ツーショットをF1.4で撮るメリット – ツーショットにおけるピントの合わせ方

単焦点レンズでツーショットを撮る時は、F1.4に設定しようかそれとも少し絞って、例えばF2やF4にしようか迷うところだ。なぜならF1.4のような浅い被写界深度で撮影すると二人にピントを合わせづらい。

ここでピントの合わせ方について簡単のさらっとおさらいしておこう。ピントはレンズ、ひいてはその奥にある撮像素子に対して並行した面で合う。ということは、二人の目が(なぜ目かというと顔にピントを合わせる時は大抵目だから)レンズと並行の面上の同じ位置にあればピントが合うことになる。簡単に言うと何人いようとカメラのレンズに対して横一列に一糸乱れず並んで貰えればピントは合う。前後してしまうとピントは合わない。合わせることは出来るがその方法はF値を上げて被写界深度を深くすることになるので、背景が暈けない。背景を暈かす必要がない場合や、全員をクッキリと撮りたい場合はピントが合っているように見える範囲が拡がる被写界深度を深めればいい。深めるためにはF値を上げる。F値を上げるとレンズの絞り羽根が窄まって光の通る道筋が狭くなり、同じ時間に光を取り込める量が少なくなるので写真が暗くなる。明るさを取り戻すためには、ISO感度を上げたりシャッタースピードを緩めたり、ストロボを使い光を補ったりして対処する。ISO感度とストロボが手っ取り早い。シャッタースピードは緩めると手ブレの問題が生じやすいので扱いが難しい。1/250秒で撮影していた写真を倍の明るさにしようとしたら、1/125秒に設定しなければならない。1/125秒で撮影していた場合は同じく1/60秒に設定しないといけない。明るさを2倍にしようとするだけでこんなにシャッタースピードを緩めなければならないことになる。そこからもう2倍明るくしようと思えば、1/30秒で、レンズによっては手ブレ写真を量産してしまう設定になってしまう。一方でISO感度なら100の場合は2倍の明るさにしようと思えば200、200の場合は400、400の場合は800、800の場合は1600と結構幅がきく。F値を上げるという事は、F1.4で良い感じの明るさの場合に集合写真で全員にピントを合わせようとしてF8まで絞るとしよう。F1.4→F2で1/2の明るさに。更にF2→F2.8→F4→F5.6→F8と、5段も明るさが下がることになる(※F値に√2・すなわち「ひとよひとよにひとみごろ」の1.4をかけると1段下げたF値が導き出される)。F値を上げるという事は、それだけ明るさに関してシビアな設定になることになる。シャッタースピードを緩めるだけでは対応できないから、ISO感度を上げるかストロボで明るさを補うのが手っ取り早い方法になる。F値を上げるとピントの合わせやすさや解像力の面でメリットはあるが、一方で写真の明るさ確保の面で色々と面倒なことが起こるのだ。面倒なことの一例は高感度に弱いカメラだとノイズが出まくるという点だ。

その点フルサイズ機、また5D系と比べて画素ピッチに余裕がある1DXは高感度撮影に強い。最新の画像処理エンジンを搭載している最新機種なら更にノイズの面で有利となっているだろう。

さて話を戻して、F1.4で撮るか、F4位まで絞って撮るか。何というか空気感を出したかったので、またスタジオの暖かみのある雰囲気を生かそうとするなら、絞って撮るよりF1.4で撮った方が空気の澱みのようなものが表現できるので、開放F値で撮ってみることにした。使用レンズはZeiss Otus1.4/55。開放で撮った時の収差の諸問題が出ないがのいい。

椅子に座っている子とその横で立っている子の写真(2018/09/08 File.3865)。初めは後ろの子が立っている状態だったので、顔をもう一人の子に近づけて貰うことで面でピントが合う状態にして貰った。これでF1.4でもピントが合うようになった。

カメラの小さい液晶画面で見ると背景もそんなにボケていないように見えるが、パソコンの大画面で見ると結構暈けている。現場で写真を見た時と家で見た時の違いが出てくる。テザー撮影でもすれば撮影現場でモデルさんにどういう具合に暈けているか確認して貰えるが、ただでさえレンズ4本とストロボ5灯、その他ソフトボックス・アンブレラなどのライティング機材を手持ちで持ち込んでいるのでノートパソコンを持ち込む余裕はないし、時間もない。液晶画面でも拡大表示すれば背景がどれくらい暈けているかは確認できるし、長年の経験と勘でだいたいどんな写真に仕上がっているかは想像が付くので、趣味の撮影でそこまで本格的にガッチガチになるのも労力がかかりすぎて時間も勿体ない。いずれカメラがWi-Fiに対応すれば、JPEGの方をその場でモデルのスマホに送ることも出来るだろう。

当然ながら面でピントが合うので顔はピントが合っているが、座っている人の前に突き出している足はピントが暈けている。そのフワッとした雰囲気が良い。もし全身もクッキリ撮りたいならF8からF11まで絞って、焦点距離35mmから50mm位で撮ればお望みの写真が撮れるだろう。

後はこの写真に関していえば、どの位置にカメラを上下させて撮るべきか。臍辺りの高さにレンズを合わせれば脚長に撮れるとはいうが、毎回迷うところだ。横構図で撮ってみる(File.3891)。二人とも座っているから脚の長さは問題にならない。こういう場合はどの高さで撮るべきか。思い切って脚立に乗って上から撮ってみた(File.3896)。色々と迷うシーンだ。脚長写真がが時には不自然となることもあるし、焦点距離によってモデルの見え方も異なってくる。しかし臍の辺りにレンズの高さを合わせた立ちポーズの写真は足がスラッと見えて良い。モデルのスタイルの良さもさがより際立つ(File3940)。