黒ホリゾントは白ホリゾンで撮るよりは簡単だ。黒ホリゾントでの撮影は光を足していくイメージだ。対して白ホリゾントは、光を足すべきか引くべきか迷いがちだ。白ホリゾントでは一灯で撮った方が綺麗に陰影が付いて立体感が出て、かつ言うほどストロボを当てていない箇所が暗く落ちないから綺麗に撮れるのではないかと思ったことが何度かある。モデルを囲むように3灯で撮るか、片側と下からの2灯で撮るか、片側一灯のみで撮るか、非常に迷う。それぞれで試し撮りして、モデル側の好みに合わせるようにしている。
黒ホリゾントは単純に光を足していけば良い。白ホリゾンで暗く撮るのはカメラの設定やストロボ光の光量の面で困難を極めるが、黒ホリゾンで暗い中で被写体を浮かび上がらせて撮るのは、余裕があるから撮りやすい。要はカメラの設定をそれほど暗くしなくても背景が暗くなってくれるということだ。
まずは3灯で撮影。しかしアクセントが欲しいなということで、後ろに脚立を置いて、その上にストロボを載せて、コスプレイヤー側に向かって光らせた。二人のコスプレイヤーの輪郭が光で縁取られる。
しかしまだ何か足りないなという事で、レイヤーさんに見せて貰ったイラストにあるような胸元の淡い光の再現を試みる。
Canon 430EX III-RTをレイヤーさんの奥の方の手で持って貰った。ストロボはカメラ側に向けて貰う。後ろからの光が広がるイメージで撮影してデータを見せたらとても喜んで貰えた。カメラマン冥利に尽きる。
脚立やストロボは写り込みやすいが、Photoshopを使えば簡単に消せるだろう。しかし映り込みは避けられるなら避けた方が後処理の手間が省ける。とうことで、ストロボをなるべく写り込まないようにするために、ストロボの首を曲げずに水平に持って貰ったが方角が定まりにくいので、少しだけ首を曲げたストロボを持って貰った。
さて次は、コスプレイヤー側に向けていた脚立の上のストロボを、カラーフィルターを着けて壁に向けて撮影。照射角は広めにしただろうか。照射角を狭めると光が強くなる。最初は200mmにして、壁の色づけ範囲が少し狭いかなとレンズと同じ50mmもしくは85mmに設定。最後は24mmに収まった。
コスプレイヤー側にカラーフィルターを噛ましたストロボを光らせることも考えたが、以前それをやって余り光が縁取らなかったこともあり、壁に向けることにした。確かにアニメにあったように歌の力を帯びているようにはなるが、背景にカラーフィルターを着けたストロボの光を狭めに照射することでも、似たような絵は撮れるのではないだろうか。
カラーフィルターは最初は青、次は紫が良いという事で言われたとおりに付け替える。背景は暈かした方が良いだろうという事で、F2。F1.4にしなかったのは、暈かしすぎると二人にきっちりとピントが合わない恐れがあるから。暈かすことで、宇宙の星雲のイメージを作った。ウェブサイト制作でPhotoshopで星雲を作った経験が生きた。応用力は大切である。星はコスプレイヤーさんがPhotoshopで加工してくれるだろう。