「オーシャンズ11」のスティーブン・ソダーバーグ監督と言えば、去年辺りに観に行った「ローガンラッキー」の監督でもあった。その監督が今回は女優8人を従えて「オーシャンズ8」という女の女による女のためのクライムムービーを製作。格好いい女は大好きなので観に行った。「エリザベス」の頃から見続けていたケイト・ブランシェットが出ていたこともある。そのケイト・ブランシェットは今回本人の国籍であるオーストラリア人の役を演じている。
この手の映画は気が抜けると何でそうなったかが分からなくなる。冒頭サンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンがデパートで高そうな化粧品を返品を装って女店員を騙して巧いことタダで手に入れたり、別の旅行客を電話で装って高級ホテルに泊まったりと第一級の詐欺師のような鮮やかな手並みを見せるが、これらのシーンでちょっと別の考え事をしてしまって何でそんなに巧く騙せたのかがよく分からなかった。
まぁこまけぇことはいいんだよ、って事で見続けるわけだが、実はオーシャンズ11シリーズは観たことがないので、兄が死んだとか言われてもどういう関係だったのかさっぱり分からない。分からないが最後まで楽しく観れた。
セレブレティが大勢集うファッションの祭典メットガラで超弩級の宝石を盗み出す話なのだが、そこに至るまでの緻密な計画がとてもよく出来ている。実際に出来るかどうかは問題ではなく、出来るように見せることが大切なのだ。前作のローガンラッキーはよりコミック的で初期の「ルパン三世」のような荒々しい押し切り型のストーリーで面白かったが、今回は理路整然とした流れ。
計画が大成功した後、ストーリーと関係なく、トップデザイナー達と相談して決めたゴージャスなドレスでそれぞれの女達がセレブレティよろしく優雅に階段を降りていく。
様々な人種で構成されるオーシャンズ8だが、東洋人の女はいかにも西洋人がイメージしがちな東洋人という感じで目が細く戯画化された中国人といった感じだった。態度もふてぶてしいし、粗野な感じ。まぁわかりやすく味付けしたのかも知れない。パンフレットに掲載されていたオフショット写真を見ると、スクリーン上のように目はそれほど細くはなかった。
ケイト・ブランシェットのスカジャン姿とライダーズジャケット姿が格好よかった。サンドラ・ブロックはもう50代だそうだが不思議とそうは見えない。美魔女かな。パンフレットをパラパラめくると、スタイリッシュな写真がたくさん掲載されていた。これはまた撮影の参考になりそう。