本物のバーのような雰囲気で撮る方法

スタジオで本物のバーのような雰囲気を出す撮り方。
スタジオで本物のバーのような雰囲気を出す撮り方。

毎週末コスプレイベントが開催されている神戸六甲アイランドリバーモールには、同じ主催が経営するスタジオ アンジュというフォトスタジオもある。今回初めてそのスタジオで撮る事になった。中にはバーをあつらえたスペース、滋賀の方にもバー風のスタジオがあったが滋賀は遠い。往復4000円くらいの交通費がかかる。

はじめは男装なので一灯で撮っていった。ソフトボックスを真横、もしくは反逆光になるように置いて撮影する。なぜかというと光の幅を狭めるグリッドを忘れたというのもあるが、斜め前からストロボを光らせると、バーの酒瓶が並んでいる背景の壁が明るくなってしまうというのもある。しかし真横や反逆光気味にソフトボックスを設置すると、男装の場合は男らしいイメージで撮る事が出来る。ストロボ光が顔に当たらないんじゃないかと思われたが、光のエッジが男らしさを強調させる。

85mm | F1.4 | 1/1000s |  ISO100
85mm | F1.4 | 1/1000s | ISO100

何か物足りないなという事で、もう一灯ストロボを用意して、オレンジ色のカラーフィルターを噛ませて、背後の壁に向けて光らせてみた。要は自前でバー風の照明を演出したという事だ。何色がいいか余り迷わなかったのは、バーといえばウイスキー、ウイスキーといえば琥珀色というイメージがあったし、昔ワインの蒸留所を見に行ったときに、オレンジ色の照明で樽が照らされていたのを朧気ながらに覚えていたからだ。どちらにしてもシックなバーというとオレンジの照明で彩られているイメージが強い。

やってみるとカラーフィルター無しの写真よりも、よりバーのイメージに近い写真に仕上げることが出来た。この後本物のバーでも撮ることになるのだが、やはりオレンジっぽい照明に彩られていた。

本物のバーでコスプレ撮影 – 二人にピントを合わせるためのF値と焦点距離

85mm | F1.4 | 1/640s |  ISO100
85mm | F1.4 | 1/640s | ISO100

カメラの設定は、シャッタースピード1/640秒、F1.4、ISO感度100。要点としては、背景を暗く落とす必要がある。

キヤノンのストロボの場合は、1/250秒よりシャッタースピードを速くすると、ストロボ光が極端に暗くなる。ハイスピードシンクロにストロボを設定すれば1/250秒より速いシャッタースピードでもストロボを光らせることが出来るが、既に述べたように極端に暗くなるから、被写体を明るく照らすには或る程度パワーのあるストロボがいる。クリップオンストロボよりも光量が5倍10倍強いモノブロックストロボの方が撮りやすい理由がここにある。

以前別のスタジオでカラー紙を背景にして絞って撮るときに、スタジオオーナーにモノブロックストロボじゃないと撮りづらいというようなことを言われて備え付けの製品を勧められたが、使い方が分からないストロボを使うと撮影に支障を来す恐れがあるので丁重に断った。そしてクリップオンストロボで撮ったがなんとか撮る事が出来た。万が一F値を思い切り絞って光が足りなければ、ISO感度を上げるという手段がある。

背景は思い切り暈かしたいので85mmの単焦点レンズでF1.4に設定した。それでもシャッタースピード1/250秒に設定すると、ストロボ無しでは真っ暗な写真になった。ここからどう光を足していくか。

ストロボを最小の光量1/128に設定しても写真が明るくなってしまうので、ハイスピードシンクロをOnにしてシャッタースピードを1/250秒より速くする。結局1/640秒に設定した。フル発光でなくてもストロボ光は充分な明るさを保っている。

背景に当てるストロボの光量もそれに合わせて再設定する。明るめに当てるか暗めに当てるか、現場で何度か試し撮りしてすべて判断する。距離によってもストロボの光は変わってくるから、ここでストロボの光量の設定を書いても互換性に乏しく恐らくほとんど役に立たないし覚えていないので割愛させて頂く。

結局この設定が理想的という事で、別の場所で撮ってから再び撮る事になったときに、同じ設定で撮っていった。

55mmの単焦点に付け替えての撮影。こちらも開放F値1.4で撮影したために、こちらの予想以上に背景のボトルが良くボケていた。

55mm | F1.4 | 1/640s |  ISO100
55mm | F1.4 | 1/640s | ISO100

ピンショットもツーショットも同じ設定でいけた。まぁツーショットよりもピンショットの方が撮りやすい。1つのソフトボックスで顔の向きが正反対の二人を明るく照らすのは難しい。どちらかが影になる。グリッドを忘れたのも良くなかった。ソフトボックスが二つあり、それぞれにグリッドもつければいいのだろうが、荷物が重くなる。

初めてのスタジオでバタバタと撮っていたので、これよりも理想的なカメラの設定があるかも知れないから各自で試してみて頂きたい。