紙製の手作りスヌートで、一人だけスポットライトのように照らす方法!

手作りスヌートで真ん中の子にだけ光を当てる。
手作りスヌートで真ん中の子にだけ光を当てる。

最近よくレイヤーさんから言われるのが、スポットライトを当てたように撮って欲しいという話。ルパン三世のオープニングとか、007とか、名探偵コナンとか、その辺りのアニメや映画のワンシーンにありそうな暗い中でのスポットライト。

スヌートを使えばストロボでスポットライトを作れそうだが、どうも機材としては嵩張るイメージがある。ひょっとしたらアレは伸縮して短く収まるのかも知れないが。

そこでそのように依頼された時には、紙とセロハンテープを持ってきて貰い、上手く丸めてテープで留め、ストロボに取り付ける。

下の写真は別の撮影の時にコスプレイヤーさんに手伝って貰って手製で作ったスヌートだが、効果は抜群だった。

レイヤーさんの紙とテーピングを使って作った手作りスヌート。
レイヤーさんの紙とテーピングを使って作った手作りスヌート。

直接当てるとストロボを当てた感がする。それはそれで表現の一手法だから何ら問題はないのだが、今回は固いイメージの光ではなく柔らかいイメージの光でスポットライトを当てたかったので、紙製のスヌートを着けたストロボをソフトボックスの金具に取り付けた。

予想以上に効果があった。コスプレイヤーさんが求めていた写真が撮れて双方とも満足。上手い具合に真ん中のキャラクターだけに光が当たり、他の二人を暗くすることが出来た。

55mm | F8 | 1/80s | ISO500
55mm | F8 | 1/80s | ISO500

ちなみにメンバー全員が暗いテストショットは次のようになる。

テストショット。

カメラの設定はF8、シャッタースピード1/80秒、ISO感度500。

F8はメンバー全員にピントを合わせるだけでなく、写真全体を背景までカリカリに撮りたかったため。シャッタースピード1/80秒、ISO感度500はある程度の明るさを確保したたった為だろうか。どうもこの二つは1/250秒とISO感度100でも良かったような気がするのだが、その設定だと明るさが足りなかったのか。背景のステンドグラスは黄色のフィルターを噛ましたストロボで色を着けている。背景をストロボで明るくてらせるので、ここまでシャッタースピードやISO感度を明るい設定にする必要はない気もするが、データを見ると、その前の撮影シーンの設定をそのまま引き継いでいることが分かった。やはりF8まで絞るとストロボの光量が足りないので、ISO感度を上げて対処したといった所だろう。シャッタースピードも手ぶれしないセオリーのシャッタースピードと比べてそこそこ低速だが、ストロボを光らせているので手ブレの問題はない。しかしシャッタースピードは1/250秒から1/80秒まで遅くしてもストロボが当たっている被写体の明るさは変わらないので、ストロボが当たっていない背景の明るさを確保したかったのかも知れない。

毎回このような依頼を受けて紙で手作りのスヌートを作っているのも面倒なので、カラーフィルターでお馴染みのローグのフラッシュ・グリッドという製品を購入することにした。お値段は5,500円。早速届いたのだが長短二つのグリッドが付いていて、コンパクトに収まっている。組み合わせにより4種類の光の幅と強さで撮影することが出来る。カラーフィルターも3色付いている。20色のカラーフィルターや白いグリッドも別売りである。

また使用する機会があれば、実際に撮影した作例を上げて詳しく紹介したい。