スタジオ撮影でISO感度を上げなくても良い時

スタジオ撮影で全体を明るく撮りたい場合に、ISO感度を上げなくてもいい時がある。
スタジオ撮影で全体を明るく撮りたい場合に、ISO感度を上げなくてもいい時がある。

スタジオでストロボを使って撮る場合、ISO感度・シャッタースピード・F値、すなわちカメラ側の調整と、ストロボ側の光量の調整、どちらを優先したら良いのか迷うことがある。

野外でストロボを使って撮る場合は、各設定にこだわる必要があるだろう。ストロボが届かない箇所と届く箇所の明るさの差を決定づけるのは、ISO感度やシャッタースピード、F値などのカメラ側の設定となるからだ。

通常自然光の入らない暗いスタジオでは、ISO感度を上げることで背景を明るく出来る。明るいイメージで撮りたい時に、ストロボ光を使って被写体のみを明るく照らしていても、背景が薄暗いと意味がない。

魅力的な背景を引き立たせる

暗い背景を振り切れるほどに明るく撮る

しかし今回撮影したケースでは、次の写真を見比べて貰えれば分かるように、カメラを同じ設定(ISO感度250、シャッタースピード1/125秒、F値6.3)にしていても、ストロボがある時ない時では、背景の明るさも大きく異なってくる。

ストロボ光が光ってない時。
ストロボ光が光ってない時。
ストロボ光が光っている時。
ストロボ光が光っている時。

今回のようなスタジオでの撮影だと、背景の壁まで簡単にストロボ光が届いてしまう。またピンク色の壁なので明るくなりやすい。だからカメラ側とストロボ側の設定を、別個ではなくセットで考える事が多い。カメラ側でISO感度やF値、シャッタースピードを変えたところで、ストロボ側の光量の設定がそのまま背景の明るさに反映されてしまい、明るさを意識した設定が無効になってしまうことが多いからだ。

今回のケースでは、ノイズが出ても良いからISO感度を上げて、背景と被写体を明るく照らしつつ、微弱なストロボ光で顔の影を飛ばすか、ノイズを極力出さない為にISO感度は低めで、ストロボ光メインで被写体と背景の明るさを調整するか、二者択一を迫られることになるから、カメラの設定がややこしくなる。

今回は後者の方法を選んだ。ISO感度を上げなくても、ストロボ光で背景の明るさも調整できたからだ。スタジオ撮影では、ISO感度を調整しなくてもストロボ光で背景を明るく操れる事を、頭の片隅にでも留めておきたい。