スヌート(グリッド)を使ってLEDライトとストロボ光の干渉を避けて撮る方法

LEDライトのイリュミネーションで飾られたスペースで撮る時には、やはりLEDライトが光っている写真を撮らなければ持ち味が生かせない。

しかし幾つかの問題が生じる。特に普段ストロボ光をアンブレラやソフトボックスで透過させて撮っていると、いざLEDライトを生かそうとした時に戸惑うことになる。ストロボを光らせるとLEDライトの明かりがストロボ光と相殺されて目立たなくなってしまう。

順序立てて考えていくことにする。LEDライトを目立たせるには、明るさを暗く落とせば良い。明るさを暗くするにはスタジオの天井の照明を消したり、カメラの設定を変えて対処する。例えばシャッタースピードを遅くしたり、ISO感度を100、もしくは拡張ISO感度で50にしたり、F値を大きくする。

しかしこれらの処置を行うと、肝心のモデルが暗くなる。モデルを暗く写したいなら別に構わないがモデルを明るく映したい場合には、撮り方を再考しなければならない。

ストロボ光が当たってしまうと、LEDライトの明かりが目立たなくなるのなら、モデルにだけストロボ光が当たるようにすればいい。スヌートやハニカムグリッドを使って、ストロボ光を狭めるという方法が浮上する。

そこで購入してから一度も出番のなかったROUGEのグリッドを使ってみることにした。ストロボにハニカムグリッドを装着する。グリッドをつけた布を丸めてマジックテープで止めてストロボに装着する。はじめはソフトボックスをつけつつ使用してみたが光が弱くなりすぎたので、ソフトボックスを外してみた。すると狭まった光がモデルだけを明るく照らしてくれた。

範囲の調整がなかなか難しい。ROUGEのグリッドはハニカムグリッドの装着数により3段階に光の広さを調整できるので、1つ外してみるとちょうど良い範囲に収まった。あとはモデルにきちんと光が当たるようにストロボの向きを調節する。

レイヤーさんに写真を見せたら海の底のようだという感想を頂いた。家に帰ってパソコンの画面で確認してみると確かにアクアの色だったが、もうちょっと濃い青の色が良いかなと思い、RAW現像で編集した。

また現場で背景が青い色になるように、ちょっとした仕掛けを講じている。その方法についてはプレミアム記事の方に載せているので、お知りになりたい方はご購入頂ければと思う。

もう少し青みが欲しかったので、青いフィルターをつけたストロボを椅子の後ろに置いて壁に向けて光らせて撮影した。LEDライトの明かりが弱くなるかなという懸念があったが、そこまでではなかった。しかし想像以上に青いストロボ光が背景の白を青く色づけてくれていた。暗く写したいなら背景に当てる追加のストロボはいらないだろう。

LEDライトにはこのスペースにある光沢の白い布や透けた布を被せた方が光が良い感じに強くなったかも知れないなと写真を確認していて思った。

写真によってLEDが光っていないのは、点滅していたから。初めてのスタジオだったので勝手が分からなかったが、スタジオの片付けをしている際にリモコンが床に落ちているのを見つけたので、これで色や明るさや点滅などが調整できたかも知れない。なにぶん初めてのスタジオ且つ時間が押していたのでうまく行かないこともあるが、撮り方の答えのひとつは導き出せた。