同じ場所でストロボと自然光を用いて撮影した写真の違い – 東京遠征コスプレ撮影記 3

ストロボ光で撮影した写真、同じ場所で自然光を用いて撮影すると?

東武伊勢崎線五反野駅が最寄りのアイルートスタジオ。古い建物二棟にスタジオが入っている。元々筆者は古いレトロな建物が大好きで、今回の撮影も北千住駅で降りて商店街を歩き大通りに出て角をくっと曲がり、そのまま荒川に架かる千住新橋まで直進しつつ気になるレトロな建物があると写真を撮っていった。前日の台風の大雨で泥濘んだ荒川を前に休息がてら午前9時に株価を確認し、映画『タロウのバカ』のロケ地に似通った首都高速中央環状線を入れた風景を撮影しつつ、一通り満足してから足立区の漠とした建物を背に橋を渡りアイルートスタジオへと向かった。何気にこの日辿ったルートは18年前に東京に遊びに来たときに銀座から埼玉の友達の家まで歩いて行けるかと試したときと同じで、奇しくも18年の歳月を経て今回はコスプレ撮影という目的で同じ道を辿ることになった。

アイルートスタジオの入ってるビルもなかなか年季が入っていて、筆者の好みであった。待ち合わせにはまだ時間がある。それにしても10月中旬だというのにいつもの撮影機材を担ぎながら歩くと体中から汗が噴き出て来たのでジャケットを脱ぎ、この日は撮影前から半袖Tシャツ1枚だった。ちらと路地を覗くとコスプレイヤーらしき女性が長指物を指したカートを引いて古ぼけたビルの入り口の前で連れが来るのを待っている。あまりの暑さに側の自販機でペプシコーラを買って喉を潤した。

しばらくしてからレイヤーさん達がやって来た。いつもは大阪で会って撮っている人を東京の路地で見かけると、パラレルワールドのトンネルをくぐって現れたような感じがしてなんとも不思議で新鮮な気分がしたものだった。もう1人は関東にお住まいの方で、2人は今回の併せで初対面ということだった。

お着替えが済むまで昔訪れた埼玉の町まで東武伊勢崎線で足を伸ばすことにした。五反野駅は映画『タロウのバカ』のロケ地となった場所だが、それについては後から調べて知った。映画の細かいシーンまでは思い出せない。そこから数駅行くと懐かしの町に辿り着いたが、18年前とそれほど変わっていない。電車の内装の古さも、駅の古ぼけた感じも変わっていなかった。

駅周辺で30分ほど写真を撮ってから、トンボ返りで五反野駅に戻るとちょうどLINEが来て着替え終わったとのこと。早足で慣れない道をアイルートへと向かい、撮影を開始する。(全文:2,400字)