望遠レンズで撮ったツーショットの全身写真はコスプレイヤーの評判が良い。今日はそれだけを伝えるためにエディターを立ち上げた。
愛用している望遠レンズCanon EF200mm F2.8L Ⅱ USMで撮るときは、たいていの場合はニーアップになりがちだ。なぜなら全身を入れようと思ったら被写体と距離を取らなければならないから。
しかし距離を取るという行為が面倒くさい。いくらでも距離が取れる野外にいながらにしてである。それにニーアップで撮った方が、二人が強調されて可愛いのではないか。
全身をフレーム内に収めるのは面倒くさい。それは距離を取らなければならないから。野外にいても場所によってはギリギリ距離が取れるか取れないかというシーンもある。特に縦構図の場合がなんだか面倒くさい。
しかしその面倒くささを乗り越えたところに、コスプレイヤーが潜在的に欲している写真があったのだ。
縦構図にしても、ニーアップとか、全身を入れつつ、上は緑なので半分ほど空間を空けているとか色々あるのだけれど、一番受けが良かったのは、上下にこぶし1つ分を開けて、写真のフレームいっぱいに二人の全身ツーショットが入る写真だった。なるほど自分で確認してもこの写真良いなと思う。
ちなみにこの写真は半順光で撮影している。二人には直接顔に太陽が当たらない木陰に入るように指示した。すべてを木陰で隠すのは無理な場所だったので、やや太陽光が当たっているが、それがまた初夏の涼しさを演出してくれる要素でもある。後はロールレフで顔を照らし、キャッチライトを入れる。
背景の玉ボケも綺麗だ。背景のボケの量を決める要素をおさらいしておこう。
- カメラと被写体の距離が短ければ短いほど、良くボケる。
- 被写体と背景の距離が長ければ長いほど、良くボケる。
- 広角側よりも望遠側で撮った方が良くボケる。
- F値が小さい方が良くボケる。
1番目と2番目は、カメラマンやモデルが動くことで対処できる。
3番目と4番目は、レンズが必要になる。3番目で焦点距離が長いレンズをお持ちでない場合は、開放F値が小さいレンズを使うことで対処できるし、逆もまたしかり。F値の小さいレンズをお持ちでない場合は、焦点距離の長い望遠で撮ることで対処できる。
問題はカメラと被写体の距離を縮めると、圧縮効果が薄くなる点だ。そこで望遠レンズの出番となる。それに背景を思いっきり暈かそうと思えば、望遠で開放F値が小さいレンズを用いるに越したことはない。お薦めのレンズはCanon EF135mm F2L USM、もしくはCanon EF200mm F2.8L USMの二本だ。どちらもラグジュアリー(高級)を示すLの称号をレンズ名に冠していながら、比較的安い10万円以内で購入できる。 光の魔術師イルコ氏が雨撮影などで愛用しているのは135mmの方。200mmはやや長いが、当記事で上げた作例のような圧縮効果を狙うなら、より望遠で撮れるので最適だろう。圧縮効果を高めるために、モデルから離れようとすればするほどモデルはフレームの中で小さくなっていくが、より望遠なら距離を大きく取っても、200mmの望遠レンズの方がモデルが大きく撮れる。つまりより距離を撮る事ができ、圧縮効果でより背景が被写体の背後に引き寄せられる。
圧縮効果とCanon EF200mm F2.8L Ⅱ USMの相乗効果で生まれる美しい背景。晴れ渡った新緑の季節に撮る事が出来て大満足の1日だった。