集合写真、横一列なら撮るのは簡単。全員にピントが合いやすいからだ。ライティングも2灯で全員に均等に光が行き渡るように撮れる。
問題は被写体が前後するときだろう。それも2列とか3列とかではなく、5列分くらい。今回は斜めの配置で前後するフォーメーションでの撮影となった。
奥行きの深さを見たときはドキッとした。まず全員にピントが合うだろうか。それにライティング、全員に均等に光を回す必要があり、難易度が高い。スタジオが狭めで機材が自在に置きにくい点も難易度に拍車をかける。
右側にソフトボックスを、横長にして、列と平行になるように置いて、左側にアンブレラ、正面左にも大きめのアンブレラを置いて撮影してみた。ズームレンズの焦点距離が35mmになるよう調整。やはりこれだけ奥行きがあると50mmでは後ろがボケてしまう。F値は小絞りボケが発生しないであろう11まで上げた。
ソフトボックスやアンブレラの位置、明るさなどを調整しつつ、全員の上半身と手が入るような構図で撮ったら、最後の5列目のレイヤーさんは描写がやや霞んだが、あとの子たちはくっきりシャープに写っている。
しかしここでレイヤー側から注文が。もう少しアップ目に、手がフレームアウトしても良いからアップ目に撮って欲しいという。
ということは近づいて撮らなければならない。被写体に近づくということは、ピントを合わせた部分の他の箇所は、よりボケやすくなるということだ。
試しに撮ってみたら今度は四人目の子がやや霞がかり、最後列の子はややもやっとした描写になってしまった。あと首をかしげたポージングのせいか、35mmとはいえ描写がやや流れているようにも見える。しかし全員にピントを合わせるためには50mmにするわけにはいかない。
撮影時の理由は忘れたが28mmでも撮っていた。しかしこれだと完全に右端に写っている五人目の子の描写が歪んで流れてしまっている。
まぁピントに関していえば、等倍で見なければ全員にピントが合っているように見える。残りの問題はライティングの難しさだろう。やはり最後列の子がやや暗いように思われる。
解決策としては、もう一回り大きいソフトボックス120x90を持ってくるべきだったか、壁バウンスで対処すべきだったか。壁バウンスだと最後列まで全員に均等な明るさで光が行き渡るか気になるところではあるが。
さて、上に掲載した作例では向かって左側の光がどうも眩しく、モデルの縁にストロボの直接光が当たった感が残ってしまった。光量を大きくしすぎたのか、設置が難所でアンブレラから光が漏れているのか、どうも難しい。ピントに関しては、最後列がややぼやけているが、こうして縮小表示させると全員にカッチリピントが合っているように見える。残された課題はどう均等に光を当てるかだろう。
まぁしかし綺麗に撮れている。十分及第点だ。ストロボの光の強さも微弱程度で十分許容範囲内。あともう一灯あればまんべんなく光が回せたかも知れない。