etoile studio

和室で印象深い写真を撮る為のテクニック

畳の和室を広くダイナミックに見せるには広角が最適。
畳の和室を広くダイナミックに見せるには広角が最適。

畳の部屋で素敵なコスプレ写真を撮るにはどうすれば良いのか。以前別の古民家のスタジオで撮ったときは、NHK大河ドラマ『龍馬伝』のような絵作りを目指した。目指したと言っても『龍馬伝』のドラマの正確な構図を覚えているわけではない。『龍馬伝』ですらなく別の大河ドラマだったかもしれない。しかし『龍馬伝』の構図は他の大河ドラマと比べても飛び抜けていてスタイリッシュで目新しかったのは覚えている。頭の片隅に残っているそれら記憶の残滓を寄せ集めて、ドラマティックな絵作りを目指す。

スタジオ浮世 -スタジオ探訪 第1回

さて、今回は畳の部屋。てっきり縁側があるかと思ったら、二階で窓は開けられない。これを知ったのは撮影前日でサイトで部屋の場所をよく確認して見たらそういう間取りだと書いてある。もっと早くに確認しておけば良かった。写真でちらっと確認するとそこが二階だとは思えない見え方だったので、油断していた。

窓側から奥に向かって撮ると後ろが窓で下がれないので狭くて撮りにくいが、奥の部屋から窓側に向かって撮る分には襖も開けられるし二人の被写体から十二分に距離が取れる。窓側から撮るときは焦点距離などに難儀したが、部屋の奥から窓に向かって撮るときは簡単でホッとした。

コスプレイヤーさんが金平糖と朱い布を持ってきていたので、それを生かした撮影がしたいと言うことで、単焦点レンズでF1.4の設定で思いっきり暈かした。マニュアルフォーカスのみのレンズOtusだが、いつもの秘技でガチピンを狙う。まぁ酒を酌み交わしている手のアップの撮影だから、手か猪口や徳利の先どちらかにピントが合っていても絵になる。それにしても金平糖のカラフルなこと。そしてピントが合った面のシャープネスが醸し出す美しさの主張と言ったら。

85mm | 1/500s | F1.4 | ISO100
85mm | 1/500s | F1.4 | ISO100

全体的にシャープに、そして楽して撮りたかったので、Canon EF24-70mm F4L IS USMに付け替えて撮影した。色々焦点距離が変えられるので、気軽に被写体の魅力を引き出せる絵作りを試すことが出来る。何より深めの被写界深度はピント合わせの気苦労から開放してくれる。

70mm | 1/100s | F5.6 | ISO320
70mm | 1/100s | F5.6 | ISO320

狭い畳の和室といえば広角レンズが水を得た魚のように躍動する。狭い部屋でも広く撮ることが出来る広角レンズは、マンションの部屋の撮影にも使われていると或るレイヤーが言っていた。なるほど、狭い部屋も広角レンズで撮れば広く見えて、パンフレットを見た顧客もファーストインプレッションで好印象を植え付けられることだろう。やり過ぎると逆効果なような気もするが。

24mm | 1/100s | F5 | ISO640
24mm | 1/100s | F5 | ISO640

再び標準レンズに付け替えて撮っていく。和室で撮る際に気をつけなければならないのは、水平をしっかりと取らなければならないということだ。障子の格子柄や、畳縁などが斜めになると凄く目立つ。ガッチリと水平を撮りたいところだが、これがなかなか難しく、他のことに気を取られていて水平に撮るのを忘れやすい。

障子の格子や畳の目が垂直または水平になっているか注意しながら撮る。
障子の格子や畳の目が垂直または水平になっているか注意しながら撮る。

ファインダーをしっかりと覗いて、フレームに対して障子や畳縁が垂直または平行になっているか、都度確認しながら撮る必要がある。なんとも面倒だがやるしかない。もし水平になっていなければ後から画像編集ソフトで簡単に水平にはできるが、修正した分だけ画像の面積が狭くなる。

狭い部屋での広角レンズは、懐の深さを引き出してくれる。物語の可能性が拡がる。和室の撮影の時に広角レンズは欠かせそうにない。