F1.4の開放で女性を撮っていると、ボケすぎかなと思うことがある。そういうときは少しだけ絞る。開放F値から2段絞れば、そのレンズが内包している解像力が得られると言うが、F2.8まで絞るのは大三元ズームレンズに良くあるF値で見たことのある絵が出てくるかしらと思ったので、一段絞りのF2.0に設定して撮ってみた。
そうしたらシャープな絵が出てきた。Otusなので開放からでもシャープなのだが、やはり顔全体をシャープに写そうと思えば、F2位の設定が良いのではないだろうか。
以前もキヤノンのEF85mm F1.2L Ⅱ USMのレンズで撮影した作例の描写力を賞賛したが、今回はF2.2ではなくF2.0。この0.2に違いがあるのかと言われれば、恐らくほぼ違いは無いだろう。F2.0とF2.2の写真を見てどちらがどちらの設定で撮った写真家と問われれば恐らく違いを見抜ける人はいないと思う。
F1.4とF2.0なら違いが分かる人はいるかも知れないがそれでも見分けるのは難しそうだ。実際2枚を見比べてみたが、そう違いがあるようには見えない。等倍表示すると、髪がボケているかボケていないかの違いが見受けられたが、縮小表示すると見分けが付かない。
見分けられる点は、F1.4は結構ボケるので、やや独特の写真になるといったところだろうか。あと収差が出るので、その辺りを見れば見分けが付くだろう。ただしOtusで撮ると収差がほぼないので、見分けは付きにくくなる。(File 9360/9354)
タイトルにはF2.0の美しい描写力と着けたが、F2.0が何か精確な意味を持っているのかというと、そういうわけでは無く、いわば美しい描写を言い表すのに名称を冠したようなものだ。名前づけ。しかしこれがF5.6だとまた記事の意味合いが異なってくるので、数値が何でも良いというわけではない。F2.0かF2.2か、この日はF2.0で撮影したので、結果的にこのようなタイトルになった。
結局は娯楽である。この写真はどういう設定で撮ったのか、この写真はどのカメラやレンズで撮ったのか、なんていうのは、いわば闘茶のようなもので、娯楽として楽しむもので、ムキになってやることではない。あらゆる競技の礼儀作法というのは、こういうところから来ているのでは無いかともふと思った。F2.0の美しい描写力。