白ホリゾントで綺麗に撮る方法と、女の子キャラ向けのRAW現像の方法

白ホリゾントで綺麗に撮るには?
白ホリゾントで綺麗に撮るには?

白ホリゾント撮影時のカメラの設定は何度撮っていても迷う。なかなか安定しない。まぁキチン撮れればカメラの設定なんて多少いい加減でも問題ないのだが、やはり理想の設定は突き詰めていきたい。

前回の大型合わせ撮影の経験を踏まえ、背景はストロボで白く飛ばす。この方法が最も綺麗に撮れる。ざっとデータを見渡してみると、飛ばしたはずなのに、うっすらと青みが残っている写真が散見された。これはなかなか難しい。カメラの液晶画面を通したデータ確認では、そこまではっきりと見えないからだ。

途中からストロボの設定を明るくしたためか、背景の青みはなくなった。

ISO感度500、F8、シャッタースピード1/125秒。

ISO感度から先に書いたのは、設定時にここが一番躊躇われるからだ。

白ホリゾントの場合は絞って撮ることが多い。背景の白を暈かしても余り意味がないのと、白背景の場合は被写体をクッキリとシャープに写した方が綺麗に撮れるからだ。たとえ女の子キャラであっても暈かさずに全身をシャープに撮るのが良い。暈かそうにも背景に暈かすものは何もないから、かえって被写体が強調されない。

そこでF値は絞ることを前提で、ISO感度の設定が問題になってくる。余り低いと背景が明るくならない。ソフトボックスやアンブレラでディヒューズしたストロボ光が壁にまで届けば明るくはなるが、どうもおぼつかない。ということで、ISO感度を或る程度上げて、背景の明るさを確保することになる。今回はISO感度500まで上げたが、いつもF7.1で撮っていたのが今回はF8まで絞ったので、ISO感度640か800くらいまで上げても良かったかも知れない。そうすれば青みのムラもなくなっていたことだろう。

ISO感度500。写真の半分下が青みがかってしまった。
ISO感度500。写真の半分下が青みがかってしまった。

ISO感度を上げるという事は、ストロボ光が当たっている部分も明るくなるという事だから(ストロボ光の出力自体は変わらない)、ストロボを調整する必要がある。おそらくF8まで上げるとソフトボックスやアンブレラを、写り込まない程度に被写体に極力近づけることになるが、その方が光がパリッとして写りが良い。もしストロボの光量を最小設定にしても明るくなりすぎるようならソフトボックスなどを離すことになるが、最小光量という事は天井からの蛍光灯の光の影響を大きく受けることになる。つまるところ、被写体に当たる光が、要は被写体に対する光の反射による見え方が、芯の抜けたような質感になる。その場合はISO感度を下げて、壁に向けているストロボの光量を大きく上げてみる。

背景は白で飛ばす、しかし衣装のドレスやグローブは白飛びさせたくない。アンビバレントな設定になるが、高輝度側・階調優先をOnにして、白飛びを防ぐ。

膝上写真なら、背景は真っ白に飛んでいる。白壁に水色のムラはない。最初は後処理で消しやすいようにストロボを左側に丸見えになる形で置いていたためか、右側の壁が完璧に白飛びしなかった。

途中座りのポーズになったので、レイヤーの後ろにストロボを置いて完全に隠すことにした。後処理をなるべくしない撮り方をするのに越したことはない。手間暇が省けるのだから。

白ホリ全体が白くならない。
白ホリ全体が白くならない。

座りのポーズで全身を入れて横構図で撮った写真に、右側に水色のムラが確認できた。ストロボ光が届いていない証拠だ。中央に置いたのに右側だけがこうなるのはどういうわけだろう。ひょっとしたら右側にソフトボックスを置いているために、ソフボからの光が壁に届いていないせいかと思ったが、キャッチライトを確認してみるとソフボは左側に置いている。右側にはトランスルーセントアンブレラ。ということはストロボの照射角の問題か。しかし焦点距離24mmに設定しているからこれ以上広げられない。ひょっとして以前の撮影できつく落としたときに少し調子が悪くなったか。

後処理で明るさを上げるにしても、被写体の明るさまで上がっているのでその手は使えない。恐らく雑誌などに掲載されている白ホリで撮った写真は、トリミングが施されているのだろうから、同じ手を使えば良いが、面倒だ。やはり現場で出来ることは現場でやっておいた方が良い。

ということで今回の教訓から得ることの出来た白ホリゾントで綺麗に撮る方法

  • ISO感度を上げることを躊躇わない。
  • 被写体の前の白い床も白くなるようにISO感度を設定する。
  • 背後の壁をストロボ光で飛ばす。
  • 背後のストロボの光量は大きめに設定する(被写体に影響を及ぼさない程度に)。
  • 被写体には極力前に来てもらい、壁とストロボの距離を離して壁に広く光が行き渡るようにする。
  • ストロボはなるべく被写体の背後中央に隠す。
  • 壁の白飛ばしに2灯使う場合は被写体の後ろ左右においても良い。

白ホリゾントで撮影した写真のRAW現像

色が若干薄いのでDPPを使ったRAW現像で彩度を上げる。

さてそのようにして撮影した写真を見ると、少し色が薄かった。いつもは彩度を上げないのだけれど、今回はDPPで色の濃さを+0.7上げる。ちょうど良い色合いになった。アイドルキャラだしカラフルな方が良いかとも思い+2にしてみたが、衣装は良いが肌が少し赤みが強い感じがする。せいぜい上げても+1くらいが良い。

Canon DPPのパラメータ画面。
Canon DPPのパラメータ画面。

女の子キャラなのでシャープネスは3から2に下げた。キヤノンのピクチャースタイル、スタンダードはシャープネス3、風景は4、ポートレートは2。ということは2がちょうど良いのだろう。もちろんレンズにも寄る。昔はJPEG変換すると結構シャープネスが強かった気がするが、最近は処理が変わったのか、それほど強くなくなった。自然なシャープネスに仕上がる。