ここは日本だろうか、それとも蛇行する山道を突き抜けていく内に、遠く離れた異国の地ドイツに迷い込んだのだろうか。
訪れたのは2008年の初夏、今から8年も前だ。この頃使っていたカメラはキヤノンの初代5D、EF24-70mmF2.8L USMのズームレンズを取り付けて使っていた。
岡山県中部の丘の上に広がる農業公園クローネンベルク、ドイツの森は、日本に居ながらにしてドイツの田舎の景色を疑似体験できるステキな施設である。ソーセージ作りが出来たり美味しい地ビールが飲めたりする。ワイン畑も広がっており、美味しいワインも販売されている。
動物とのふれあいコーナーもあり、季節の折々には家族連れが喜びそうなイベントが開催されている。
それらのアトラクションを訪れなくとも、ただ歩いているだけで、ドイツの空気を吸う事が出来る。もちろんここは日本なのだが、家々や壁、彫像や草木などが、ドイツの田舎町にいるかのように錯覚させる。さながらヘルマン・ヘッセの小説の世界に迷い込んだかのようだ。
チューリップ畑や菜の花畑、ひまわり、薔薇の花々など、季節の折々に併せて様々な花が咲き誇る公園でもある。
外に出ると、日本に連れ戻される。雨上がりの霧が立ちこめていて、風情があった。