Photoshopで写真をJPEG保存すると、色が変わる現象の原因と解決策

上がLightroomで編集した写真。下がPhotoshopに移行させて書き出し形式で保存した写真。色が変わってしまった。
上がLightroomで編集した写真。下がPhotoshopに移行させて書き出し形式で保存した写真。色が変わってしまった。

久しぶりにCanonの初代5Dで撮影した写真を編集していて、色々と不便なことに気づいた。まずDPPver4が使えない。ソフトウェアが対応していないためだ。幾度かのバージョンアップで旧機種も続々と対応しているが、初代フルサイズ機である5Dが対応するのは何時になることやら。(2018年6月5日追記:DPPver4アップデートで5D対応済)

仕方なくLightroomでRAW現像していたのだが、Photoshopにデータを移行させることにした。Photoshopから

ファイル » 書き出し » 書き出し形式

を選べば、従来よりファイルサイズが半分に圧縮できるからだ。

特に風景写真だと、細かい描写が多いせいだろうか、ファイルサイズが800KBなどと大きくなりやすい事に気づいた。Lightroomから直接JPEG変換すると、ブログ1ページに載せる写真の枚数が多い場合は、ファイルサイズが大きいと訪問者の負担になりかねないので、Photoshopの新機能「書き出し形式」を利用することにした。

ところがである。フォトショップにデータを移行させて、いざ書き出し形式で保存しようとすると、プレビュー画面がくすんでしまうことに気づいた。

保存したい写真の色はこちら。
保存したい写真の色はこちら↑
なぜか色が薄くなってしまった。
なぜか色が薄くなってしまった。

一瞬自分の目を疑ったが、RAW現像でカラフルにしたはずの写真がエラくくすんで見える。こんな色ではブログに上げられない。そこで色々と試してみたら、解決した。

PhotoshopでJPEG保存すると彩度が落ちた場合の対策方法

まずLightroomからPohotshopへデータを移行させる。

Lightroom 写真 » 他のツールで編集 » PhotoshopCCで編集

LightroomからPhotoshopへデータを移行。
LightroomからPhotoshopへデータを移行。

Photoshopにデータを移行させたら、プロファイル変換を実行。

Photoshop 編集 » プロファイル変換

Photoshopにデータを移行させたら、まずプロファイル変換を選ぶ。
Photoshopにデータを移行させたら、まずプロファイル変換を選ぶ。

変換後のカラースペースsRGB IEC61966.2-1を選択。

とりあえずsRGB IEC61966.2-1を選択。
とりあえずsRGB IEC61966.2-1を選択。

ファイルサイズをブログ掲載に最適なサイズに変換後、ファイルサイズが従来よりも半分になる、書き出し形式で保存。

ファイル » 書き出し » 書き出し形式

書き出し形式を選ぶことで、従来の半分のサイズで画像ファイルが保存できる。
書き出し形式を選ぶことで、従来の半分のサイズで画像ファイルが保存できる。

これで色がくすんだり薄くなったりせずに、無事JPEGファイルに保存することが出来た。カメラの機種によっては他のプロファイルを選択した方が良い可能性もあるので、色々試してみて欲しい。

ちなみに書き出し形式で保存するメリットとデメリットについてはこちらで解説しているので、一読していただければ幸いである。

Photoshop CC 2015の新しいJPEGファイル保存方式のメリットとデメリット

ウェブ用途の写真のカラープロファイルはsRGBを選ぼう

今回の色がくすんでしまう原因となったのは、カラープロファイルに指定されていたProPhoto RGB。8年前の機種の5Dで撮影した写真も、最新機種の1DXで撮影した写真も、同じくくすんだ色で保存されてしまったのでカメラの機種は関係なく、Lightroomで転送したデータのカラープロファイルがProPhoto RGBで固定されてしまうのが原因だった。

ネットで調べてみると、このカラープロファイルは色空間の表現領域が凄く広いのだけれど、現在このProphoto RGBのプロファイルに対応しているモニターはほぼ皆無とのこと。将来を見据えてのプロファイルなのだろうか、LightroomはこのProPhoto RGBを推奨している。

LightroomからPhotoshopへデータを転送すると、カラープロファイルはProphoto RGBのままとなる。従来通りの保存方式なら、Photoshopが自動的にカラープロファイルを、どのモニターやブラウザも対応している一般的なプロファイルであるsRGBに変換してくれたので問題はなかったのだが、新しいJPEG保存方式の「書き出し形式」を選ぶと、カラープロファイルを自動的に変えてくれないので、保存した写真をパソコンのディスプレイで見ると、色がくすんで見えてしまう。

「書き出し形式」の設定は「環境設定を書き出し」のメニューで実行できるが、保存時のカラープロファイルを指定することは出来ない。従来方式のJPEG保存方法の半分のファイルサイズで保存できる「書き出し形式」は、adobeの推奨方式でもあるので、ウェブに上げる写真のファイルサイズを小さくしたい場合は、避けては通れない問題となる。

ウェブに写真を上げると色がくすんでしまうという報告もあったが、これも指定したカラープロファイルにブラウザが対応していないのが原因だ。

主なカラープロファイルには、一般的なsRGBと、より色の表現領域の豊かなadobe RGB、更にその上を行くProPhoto RGBがある。adobe RGBは対応していないウェブブラウザがあり、ProPhoto RGBに至っては対応しているディスプレイが存在しないため、印刷ではなくウェブ用途での写真表示を考えた場合、sRGBにカラープロファイルを変換して保存するのが、様々なモニターで見た場合に色が変わらないようにするには無難である。

また、もう一つの解決策として、カラープロファイルをデータに埋め込む方法がある。従来方式の「web用に保存(従来)」を選び、「sRGBに変換」のチェックを外し、カラープロファイルの埋め込みにチェックを入れれば、色が正しく表示される。パソコンのモニターで表示するとくすんで見える場合があるが、ウェブにアップロード表示すると、Photoshop編集時と同じ色になっているはずだ。

しかしウェブで写真を公開する用途で一番無難なのは、先に挙げたsRGBに変換して保存する方法となる。もし編集中のカラープロファイルがsRGBでなければ、上述した方法で変換しておこう。

それでは良き写真ライフを!