カメラの上にストロボを取り付けて正面からモデルに向かって光らせるよりも、ストロボをカメラから離して、モデルのサイドから光らせる方が、被写体は綺麗に写る。小型のディヒューザーをストロボに取り付けると光が柔らかくなり綺麗に写るが、ソフトボックスやアンブレラがあれば、更に綺麗に写る。
この日は様々なストロボの使い方をした。カメラの上に載せて直接ストロボ光を当てる撮影もした。ソフトボックス一式を持ってきていたので、ライティング機材を組み立てて、斜めから被写体に当てる撮り方もした。
スタンダードな一灯ストロボで撮影。本当なら左側にも一灯置いて、メインのストロボの1/4か1/8の明るさで光らせて影を飛ばしても良かったかも知れない。同じ光量にすると女の子キャラを撮る時のような撮り方になるので、影を弱める程度の、暗闇から輪郭を引き出す程度の、本当に微弱な光量で良い。
しかしこの日、ここでは2灯は使わなかった。というのも左側が通路のようになっており、手前にある階段はついたてで塞がれておりで、かなり狭い場所なのだ。通路を塞ぐのもなぁ、と人通りはさほど多くないが、盛況なコスプレイベント会場なので、やはり数分おきに人は来る。
そこで一灯で撮っていった。やはり男装を撮るときは一灯が良い陰影がつく。どう撮るかはなかなか難しいところではある。場所が入り組んでいて狭いので、思い通りの場所にソフトボックスを置けない。グリッドを持ってきたら背景をもっと暗く落とせただろうか。
F値7.1、シャッタースピード1/250秒。メーカーによっては1/200秒が限界の物もあっただろうか。周囲を暗く落としたいのでなるべく速いシャッタースピードに設定しているわけだが、大体の場所にストロボが当たっているから、あまり変わらないだろうか。まぁおまじないも兼ねて速めに設定しておくといいだろう。
後ろの屏風は何の戦を描いたものだろう。僕の背後の開けたスペースには、一ノ谷の合戦を再現したジオラマが置いてあった。場所は旧二葉小学校で、キャラは刀剣乱舞の正装と、時空が正反対なのだが、一見撮るところがあるだろうかと迷うような場所に屏風があったのが良かった。
この日の写真をざっと見返してみて、アップ目の写真をもっとたくさん撮っておけば良かったなと。上下に黒い線を入れたら映画風になるが、それを想像しただけでグッと感情が伝わってくるような目があった。