人物は明るく、背景は暗く撮る方法

顔は明るく、背景は暗く。
顔は明るく、背景は暗く。

またしても知らないキャラを撮る事になった。元々は滋賀のスタジオで3人の男装合わせを撮る予定だったのだが、大阪で起こった例の震度6弱の地震の影響で、一人だけ抜けられない仕事が入ってしまったことで、それなら近場の大阪のハコアムにしようという事になったらしく、キャラもガラッと変わった。

といっても当初撮る予定だったキャラクターも知らない作品だったので、これといって不便するわけでもない。要はどう撮るかだ。持ち前のスキルと機材を駆使してコスプレイヤーの求める写真を撮るというわけだが、これがやはり難しいときと、そうで無いときがある。

イメージしやすいキャラクターはどう撮るか把握しやすいので撮りやすいのだが、今回は幽霊という事だった。なるほど足はちゃんと付いているから人間のキャラかと思ったが、そうきたか。やはりこういう情報も大切である。恐らく撮り始めの時はそうと知らずに撮っていた記憶があるが、もう一つの難しい要因としては、ストロボを使って撮るのが難しいスペースというのもある。

各スペースによってストロボを使えば良い感じに撮れる、イメージがある程度固定された場所と、ストロボよりも環境光を使った方が雰囲気のいい写真が撮れる場所と、様々だ。スペースの数だけ撮り方があると言っていい。また同じスペースでも最適解の撮り方が出来る場所もあれば、そうでない場所もある。いろんな撮り方が効く場所もある。

今回は難しい方のスペースだったので、それはそれは撮り方に迷ったのだった。幽霊だが顔は暗めよりも明るく白い方が良い。なら行燈を用いて下からのお化けライトで撮ってみたが、顔に影が付くよりは、やはり白い方が良いという。前回このスペースで行燈の灯りのみを用いて撮ったときは寝転がって貰ったので、影は付かなかったが、今回は座って貰っているので下からのライトになる。

そこで再びストロボを使うことにした。背景は暗く、被写体は明るめ。なかなかに決まっている。カメラの設定を見ていこう。(file.1085)

シャッタースピード1/250秒。Canonのストロボが極端に暗くならないギリギリの設定で、シャッタースピードを速くすることで背景を出来るで暗く落とそうと試みた。

ISO感度100も同じ理由から。この状態だとストロボを炊かなければ真っ暗な写真になる。

被写界深度はF1.8に設定。行燈の灯りを明るくするためにカメラ側のいずれかの設定で明るさを確保する必要があったが、幽霊キャラという事で、やはり背景を思い切り暈かしてどろっとした空気感を出すといいだろうという事でF値1.8にした。

どちらにしても、シャッタースピードを遅くすると手ブレする恐れもあるし、ISO感度を上げるとノイズが出るだけで無く、現場での設定で明るさが暗くて好みで無かった場合に、後からパソコンのRAW現像ソフトやレタッチソフトで明るさを上げると、よりノイズが出てくるので、ISO感度も低い方が良いだろうという事で、自ずと消去法で最後に残されたF値の設定が最適となる。

これが例えば全体をシャープに撮りたいという事であれば、シャッタースピードもしくはISO感度で明るさを確保することになるが、これは次回の記事に譲る。

顔が綺麗に撮れたとはいうものの、お化けキャラなら、ストロボOffで行燈を使って撮った下からのお化けライトの写真も捨てがたいなと感じた(File.1060)。ストロボを炊いて顔を白く明るく撮ろうとすると、どうしても背景まで明るくなってしまう。

全身を撮ったりアップ目に撮ったりと、前回の撮影の反省点を踏まえて撮っていった。やはり暈かして撮るのが一番いい。