ストロボを使わない方が綺麗に撮れることもある 行燈編 – ISO感度を上げて撮るとき #13

ストロボを使わない方が上手く撮れることもある。
ストロボを使わない方が上手く撮れることもある。

時にはソフトボックス+スロトボや、アンブレラ+ストロボで撮るときよりも、その場にある環境光を使って撮った方が、イメージ通りに撮れることがある。それも綺麗に。

スタジオのスペースによっては苦手な場所もある。どう撮ればいいのか、背景を暗くして撮れるかどうか、ストロボが全体を明るくしすぎて台無しにしやしないか。上手く撮れなかった記憶がそもそも記憶違いで実は上手く撮れていたという事もある。

恐らく中はLEDライトだろう、行燈を使って撮る事にした。ストロボを使うとどうしても全体が明るくなってしまい、行燈だけが灯っているイメージにならない。

以前行燈だけを使って撮ったときは、座って貰って撮ったので、下からのお化けライト風になってしまった記憶がある。しかし今回は寝転がって撮ることになった。ポーズはコスプレイヤーが決めた。恐らくCDジャケットに寝そべっているイラストがあるのだろう。

そうして撮れば下からのお化けライトにならず、かつ顔だけに光が当たる感じなので、周囲の明るさが落ち、雰囲気のある写真に仕上がった。

55mm | F1.4 | 1/160s | ISO320
55mm | F1.4 | 1/160s | ISO320

明るい単焦点レンズで開放F値で撮影した。ISO感度は320迄上げた。今回はあまり上げなくても環境光で顔が明るく撮れた感じだ。行燈に思い切り近づいたからだろう。

問題は色温度をどうするか。行燈の光で顔の色がやや黄色い。このままでも雰囲気はあるが、少し自然な色合いにしたい。

ということでRAW現像の段階で、ホワイトバランス微調整で調整した。通常は座標の左上の角に向かってブルー寄りに調整することが多いのだが、今回は左下の角に向かってマゼンタ寄りに調整してみたら(上記2作例とも -4, -3.5)、いい案配の肌色になった。マゼンタの赤みを若干浮き立たせ、自然な色合いになるようにした。