野外撮影でのストロボ+ソフトボックスとレフ板は同じ様に撮れる

カメラバッグに立てかけたロールレフで、斜め下から光を当てて撮影。
カメラバッグに立てかけたロールレフで、斜め下から光を当てて撮影。

自分で撮った作例もなしに写真の撮り方を語っても説得力が皆無なので、撮り方を解説する場合は極力自分で撮影した写真を載せることにしている。実際に或る方法で撮った写真と、それとは違う方法で撮った写真、どのような違いが出るのか、それとも違いは出ないのか確認して貰うには、無駄に言葉を積み重ねるよりも、自分で撮った作例を観て貰った方が手っ取り早い。百聞は一見にしかずだ。

今回は良く晴れた野外において、ストロボ+ソフトボックスをやや上からモデルに対して照らした写真と、自然光+ロールレフで、カメラバッグにロールレフを立てかけて斜め下から光を当てた写真を見比べて貰おうと思う。どちらの写真にどれほど違いがあるか、どちらの方法で撮った写真の方が自然に見えるか、各自で判断して頂きたい。

野外撮影でストロボ+ソフトボックスを使う

野外撮影でもストロボを用いることがある。日中シンクロのような、太陽という自然光がありながら、ストロボ光による表現が前面に押し出されるガッツリとした使い方だ。

逆光で撮るときには、どうしても人物に露出を合わせると、背景が飛んでしまいがちになる。そこでカメラの露出を空に合わせ、暗くなってしまう人物の方はストロボ光で明るく起こしてやる。いわば補助のような役割を果たすわけだが、さて今回の作例は背景が空ではなく桜。やはり桜も白飛びしやすい。

ストロボを取り付けたソフトボックスで、向かって右側からモデルにストロボ光を当てた。ストロボ台数が1台だったか2台だったか失念したが、途中から下からもディフューザーを噛ましたストロボを当てて、全身に光が行き渡るようにした。

ストロボ+ソフトボックスで撮影。
ストロボ+ソフトボックスで撮影。

実はこれ以前に、ロールレフを用いた撮影もしていた。家に帰ってからストロボありとなしの画像を見比べてみると、さして変わらないことに気づいた。むしろロールレフを使って撮った方が若干明るく肌の発色が良い。

カメラの設定を見比べてみよう。使用レンズはCanon EF400mm F5.6L USM。

  • F値は11、シャッタースピードは1/250秒、ISO感度400(ストロボ)
  • F値は11、シャッタースピードは1/640秒、ISO感度1600(自然光)

他のカメラの設定はすべて同じ。RAW現像の処理の値も同じ。

F値11は、圧縮効果で引き寄せた背景の桜もできるだけくっきりと写したいから。ストロボ使用時のシャッタースピードが1/250秒なのは、これ以上速く設定するとストロボ光が極端に弱くなり、明るさが足りなくなるから。

一方自然光のみの撮影でのシャッタースピードが1/640秒なのは、焦点距離400mmの超望遠レンズを用いているので、写真が手ブレしないシャッタースピードのセオリーである1/焦点距離×2を援用して、なるべく明るさを確保したいという欲と、手ブレを防ぎたいという欲を折衷させた。

ISO感度はその場の背面液晶モニターで試し撮り写真を確認しつつ、最適な明るさになるように最後に設定した。

レフ板を斜め下から当てて撮影。
レフ板を斜め下から当てて撮影。

明るさの違いの原因は、ストロボの光量やカメラの設定の点が上げられるので、設定を詰めれば同じ明るさになるだろうが、肌の発色に関しては違いがはっきりと出た。明るさを同じにしてからホワイトバランスを弄ってみたが同じようにはならない。背景の桜の色も若干異なってくる。

ロールレフの銀色の方の面を使った。通常晴れている日にレフ板の銀色の面を使うと、肌が黄色くなりがちなのだが、今回はそこまで黄色くならず、むしろ肌の血色を良く見せる役割を果たしている。

カメラバッグに立てかけたロールレフを向かって右の斜め下から当てている。
カメラバッグに立てかけたロールレフを向かって右の斜め下から当てている。

ソフトボックス+クリップオンストロボを用いた方の描写も悪くはない。顔をソフトボックス側に向けて貰っているので、顔全体が不必要な影もなく綺麗に描写されている。

ソフトボックス+ストロボ
ソフトボックス+ストロボ

ちなみにソフトボックスはやや上から、ロールレフはカメラバッグに立てかけた状態で斜め下からの設置となっている。

自然光とレフ板で撮った写真の方が、顔が少し黄色が買っている感じがしたので、ホワイトバランス微調整をブルー寄りに(-1.5,0.5)修正してみた。そうすると、ストロボ光で撮影した描写とほぼ同じになった。ただし背景の桜はやや冷たい色に寄る事になる。

ロールレフを用いた自然光のみの撮影の写真の方が、やや立体的で肌の質感に温かみがあるように感じられる。明るさを上げると、肌の質感が花の蕾のような膨らみを持ちながらパッと輝くイメージだ。下の作例はテストショットでISO感度が低く明るさが足りなかったので、ガンマ調整のチャートで-1.02左の軸をスライドさせて明るく持ち上げた。ロールレフはキャッチライトを観ても分かるとおり、向かって右斜め下から当てている。

400mm | 1/640s | F5.6 | ISO400
400mm | 1/640s | F5.6 | ISO400

しかし自然光+レフ板とストロボ+ソフトボックス、2枚の写真を見比べてみると、そんなに大きな違いは見られない。つまり、晴れている日はストロボがなくても、レフ板の銀色の面を当てれば、十分ストロボ代わりになるだけでなく、肌の質感も豊かに表現される。

難点としては、銀レフを使うと、肌の色の温かみが増すので、色の好みによっては撮影現場やパソコンでホワイトバランス微調整をブルー寄りに修正してやる必要が出てくるかもしれず、背景の桜が若干冷たい色になってしまう。

また、晴れた日に銀レフを使うと、モデルが非常に眩しがって目を開けているのを苦痛に感じる。その場合はレフ板の角度を調整して、適度に光量を操ると良い。

というわけで銀レフが晴れた日にはストロボ並みの明るさを発揮することが分かった。ソフトボックス+クリップオンストロボ、自然光+レフ板。どちらの方法でも綺麗に撮れるが、荷物を軽くしたかったり現場でライティング機材を組み立てるのが面倒という場合は、ストロボなしでも行ける。

この日はソフトボックスの重たい機材を持ってきていたが、結局このシーンでしか使う機会が無かった。再度組み立てるのが面倒だったというのもあるが、後は自然光の順光夜半順光で対応していった。結局鬱蒼とした暗めの場所で太陽光が差し込まない場合には、人物を明るく撮る為にストロボとソフトボックスがいるので、荷物をどうするか思案のしどころとなる。撮影前にコスプレイヤーさんに聞いておくのが手っ取り早い解決策だろう。