アニメを観れば写真における斜め構図の重要性を認識できる

富士山は水平に撮らないと都合が悪いが、ポートレートやコスプレは斜め構図はむしろ必須。
富士山は水平に撮らないと都合が悪いが、ポートレートやコスプレは斜め構図はむしろ必須。

コスプレイヤーからよく聞く不満は、真っ直ぐな写真ばかり撮るカメラマンがいるという話だ。原因は恐らく写真の専門学校や、プロカメラマンの開催している写真教室やワークショップなどで、写真は垂直に撮るものと教わって、それを金科玉条のように守って撮っているからだと思われる。
富士山や寺院のような風景写真なら傾いた写真は問題だが、ポートレートやコスプレ写真なら、何が何でも垂直に撮らなければならないという事は無い。むしろ垂直に撮らなければならないという融通のなさが表現の幅を狭めてしまう。プロが言っていたからといって鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えて臨機応変に対応する応用力が必要である。

最近49インチの4Kテレビを購入して、画面の大きさと映像の美しさを堪能しようと久しぶりに深夜アニメの数々をBlu-rayレコーダーに録画して視聴することにした。再生して早速気がづいたのは、アニメ作品は斜め構図のオンパレードという点だ。まずオープニングが斜め構図でダイナミック。本編もことあるごとに斜め構図。それが安定した斜め構図だろうが不安定な斜め構図だろうが、とにかく斜め構図にして動きを出している。これはスマホゲームのカードにも当てはまる。とにかく斜め構図が多い。

しかしこれが垂直・水平の構図だとすれば、動きが出ずに実につまらない絵になりそうなのは目に見えている。大胆なほどに斜め構図だ。斜め構図にすると、止まっている絵が動き出しそうな、ストーリーが今にも始まりそうな臨場感がある。

自分もコスプレをしてコスプレイヤーと撮り合いをしていると、斜め構図過ぎて少し不満なこともある。不安定すぎたり、斜め構図ばかりだったり。しかし撮っている当のコスプレイヤーは斜め構図こそが正義という意識があるためか、もしくは斜め構図は動きが出て格好いいからという意識が働いているせいか、お構いなし。

何事も中庸が一番良いような気がする。カメラマン・コスプレイヤーとも極端に偏りすぎなのだ。垂直水平の写真ばかり撮っているカメラマンは斜め構図で撮る事も憶えて、どんなシーンでも斜め構図を多用しているコスプレイヤーは垂直水平の構図で撮る事も心がける。それがちょうど良い案配だ。