愛知県知多半島の付け根に位置する半田市にコスプレ撮影に赴くのは2度目で、前回は桜の時期、この日は彼岸花イベントだったが、予定の前日になってもTwitterの画像検索や開花情報などを掲載しているブログなどで調べてみると彼岸花は咲いている気配はなく、「毛ほども咲いていない」とか「まだ棒」というツイートも散見された。中には予定を中止するレイヤーさんもいる中で、雨の孕んだ雲が垂れ込めた早朝にJR大阪駅の西にある桜橋口で待ち合わせて、名古屋まで4人で出発したのだった。
レイヤーさんのお車で半田市まで送迎して頂けることになっており、カメラマンとしては黙って車に乗っているだけ。シートの裏面に組み込まれた液晶モニターにはTSUTAYAで借りてきたという『名探偵コナン』が流れていた。最近の車はここまで進化しているのかと驚いた。
4時間近く車に揺られて見覚えのある半田商工会議所の建物の前に到着すると、やはり空は晴れておらず、レイヤーさん達のお着替えが済むまで、エジプトの壁画にモチーフを得た巨大なモザイク画のある待合室で、昼食を取りながら待つことにした。
この日は刀剣乱舞のコスプレ撮影。三日月宗近、鶴丸国永、小狐丸という取り合わせで撮影した。この作品のおかげで日本史上の人物とくに戦国武将には詳しかったが今までさほど興味の向かなかった彼らの愛した刀の名前や由来などを幾ばくか触れることが出来たのは一得だった。
愛知県半田市は新美南吉の故郷でもあり、記念館の前には彼の著した童話『ごんぎつね』のモニュメントが添えられている。どのような作品かその内容を失念してしまったが、この記念碑の前を流れる矢勝川の両岸に大群生している彼岸花のはずだったのだが、我らの一縷の希望もむなしく確かに全く咲いていない。
前半は中埜半六邸で撮影して良い収穫を得たが、時間も押し迫っていて矢勝川に到着したのはイベント終了1時間前だった。
しかも結構長い河畔を向こう側の花が咲いている所まで歩いて向かったので、矢勝川土手での実際の撮影時間は30分もなかった。(全文:3,000字)