超広角ズームレンズでコスプレ撮影! – 人物写真における焦点距離11mmの実用性

超広角ズームレンズで撮るコスプレ写真。
超広角ズームレンズで撮るコスプレ写真。

超広角レンズはコスプレ写真、もしくはポートレートに使えるか。女性のポートレートを美しく撮ろうと思ったら、広角よりも背景が良く暈ける中望遠単焦点レンズが好まれる傾向にある。一方で広角はローアングルで撮ると女性の体型を脚長にスタイリッシュに見せることも出来る。

コスプレ撮影では、超広角レンズは親和性が高い。女性を美しく見せるだけでなくダイナミックに見せることが出来るからだ。アニメやゲームと言えばダイナミック溢れる描写がよく合う。

先日『女王陛下のお気に入り』というイギリス映画を観に行ったら、超広角レンズが至る所で多用されていた。通常超広角レンズを使えば狭い室内を総て写し取ることが出来るが、その映画では野外でも積極的に超広角レンズを使って撮っていた。超広角レンズの使用により、登場人物達の心理面が強調されたり、野外の馬が疾駆するシーンでは疾走感が増したり、日の丸構図ではより被写体への視線が集中する効果があるように感じられた。

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そこで超広角レンズを使って撮ってみようという事になった。キャラはFGOのエリザベート。手の爪が長くブーツにも長い爪が付いている。この美少女が成長した姿が、あの残虐な行為で知られるエリザベートとなるわけだが、こちらはどちらかというと愛くるしいドSな性格をしている。

ハコアム大阪8階の祭壇ゴシックスペースと、5階アリスインワンダールームの赤い壁に白い階段の場所で使ってみた。併せて55mや85mmの単焦点レンズで背景を暈かした撮影の他、24−70mmのズームレンズを用いた撮影もした。

35mm | 1/250s | F4 | ISO200
35mm | 1/250s | F4 | ISO200

まずは祭壇ゴシックスペース。要は単焦点レンズを使って背景を暈かして撮ったり、祭壇近くに来て貰って、ストロボはオフにして備え付けのLEDランプの光源だけでこれも単焦点レンズで背景をボカして撮った方が雰囲気が出るのだが、敢えて背景もクッキリと写るF4通しの超広角ズームレンズで撮影したら、無邪気さの中にもその奥に潜む後年のエリザベートの残忍さや狂気といったものが背景の薄暗い祭壇とも相まって表現できたのではないか。

11mm | 1/80s | F4 | ISO1000
11mm | 1/80s | F4 | ISO1000

焦点距離は11mm。ここまで超広角だと、モデルの顔が歪まないように写すのが難しくなってくる。中心から少しズレると面長になったり斜めに歪んだりするので、その点配慮する必要があった。良い構図で撮れていても顔が歪んで写ってしまうと使えない。敢えて歪ませたいのならそれでもいいが、可愛いキャラなので歪んでしまうのは避けたい。

広く撮ると背景の壁に飾られている多数の額縁の上の部分にスペースが空くのが気になったが、改めて見てみると気にならない、うまく収まっているのではないか。完璧主義は捨てた方が良い。完璧主義にこだわる故に完璧でなくなるという逆説的な事象も生じる。

次はアリスインワンダールームの元は教会だったスペース。名残の白に金縁の階段があるのだが、背景が深紅なので、ここで撮るときは皆この白い階段が映り込むのを嫌がる。どうしたものかとウエストアップやバストアップで撮ることになるのだが、今回は超広角レンズを使い被写体に近づくことで、白の階段を被写体の後ろに隠して撮る事が出来た。それにしてもこのスペースで焦点距離11mmで撮影するとこんなにもいつもとは異なるイメージで撮る事が出来るのかという驚きも大きかった。

初めてハコアム大阪でこの超広角ズームレンズを使って撮ったときは、果たしてこれは有効だろうかと懐疑的だったが、こうして新しい発見をして実用的であることが確認できた。