エルゴヒューマンかアーロンチェアか – 座り心地の良い椅子(に伴う仕事の効率性)を求めて

エルゴヒューマンプロ オッドマン付き
椅子を変えれば仕事も捗る?

20年近く使っている机と椅子で仕事をしたりブログの記事を書いたりしているのだが、先日少し座っているだけで頭が重くクラクラとしてきて気分が悪くなった。これは椅子のせいではないかと即座に疑った。

北欧風のツートンカラーの飾らないシンプルなデザインで気に入って使い続けていたのだが、机の方は横に細長くあまりスペースはない。椅子の方もシンプルな造りで,これといって仕事用の椅子というわけでもない。どこで買ったのか、新聞の折りたたみ広告に挟んであった家具屋のチラシを見て一目惚れして買ったのだった。今思うと小学校に入学したときに買って貰った大人になっても使えるシンプルなデザインの学習机の方が良かったのではないかと思える。引き出しも4つ着いていたし机も広い。しかし長年使っていると愛着が湧くというよりも汚れなどが気になり気分一新して買い換えたいという気持ちになる。そこで現在の机と椅子をセットで購入したのだが、これも20年近く使い続けていることになる。

机の方はまぁこれくらいの大きさでも特に困らないかという事で、所々表面が剥げかけているがデザインは悪くないので使い続けるとして、椅子の方はと言うと、長時間デスクワークで座り続けるには若干の忍耐力がいる。そこで椅子を買い換えようと吟味することにした。

エルゴヒューマンプロを検討

以前から欲しい椅子があった。エルゴヒューマンという椅子で、神戸三宮のセンター街の方のジュンク堂に入っているナガサワ文具センターという文房具店に、ライカや高級万年筆と並んでエルゴヒューマンの椅子が展示されていたのだ。試しに座ってみるとこれがとても座り心地が良い。今まで座っていた椅子は一体何だったんだという程。それにキーボードを置けるプレートまで着いている。これは仕事が捗るのではないかと思ったものだった。

しかし値札を見ると12万円近くした。即断して買える価格ではない。あまり長居するのも悪いので椅子から腰を浮かし店を後にしたのだった。

それから数年経ち、今回の重い頭のふらつき。これはあのエルゴヒューマンの椅子が解決してくれるのではないかと,楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonで価格やレビューを確認してみた。

大体どのサイトのレビューも、良い評価があったり悪い評価があったりする。それらの評価を分析して果たして自分に合うだろうか、ということを考えていくのだが、やはり決まらない。調べれば調べるほど他の椅子のメーカーも気になってくる。

ステマレビューを見分ける方法

ネットで個人ブログなどを検索してみると、というのもこの手の製品で一番信憑性が高いのは、ショッピングサイトのレビューではなく、個人のブログだ。個人ブログならまずプロフィールからどのような人が書いているのか確認できる。特に昨今のAmazonレビューは桜が書き込んで評価数を上げて購入を誘っているのが問題化しておりNHKのドキュメンタリーでも扱われていたばかりだった。

ブログにしても最近流行のステマブログやアフィリエイトブログの問題もあるが、ブログのデザインや一連の記事の内容、文体などから、そっち系のブログであると或る程度は判別することが出来る。大体昔のブログの場合はそれらステマやアフィリエイトとは無縁である。もちろん今現在あるブログでアフィリエイトと無縁ではないブログはごく僅かではあるだろうから、ここで言うアフィリエイトとは純粋にアフィリエイト・SEO対策目的で書かれた中身のないキュレーションサイトのような寄せ集めリライト記事による書いてる本人の魂が心ここに在らずのように抜け落ちているブログのことを指す。善意あるブロガーは自分自身のジューシーな分厚い牛肉のような旨みと脂身の乗った体験を他の人にも伝えたいという欲求を文章に託して、オマケ程度に関連商品のアフィリエイトコードを掲載しているものだ。

例えばSEO対策目的で書かれた記事は、まず大勢の人が検索するキーワードを調べてから、文章の中にそのキーワードを不自然にならないように盛り込むが、やはりWeb制作の経験がある人やリテラシーの高い人にはその盛り込み方から、SEO対策を意識したキーワードであることが分かる。それはどこか接ぎ木のように不自然に付け足されていたりもする。そして大体どこも似たり寄ったりの内容やレビュー記事になる。根拠がない、本人の体験や写真に基づかない情報はまず信用に値しない。

個人ブログのレビューで吟味

検索して出てきたブログを訪れてみると、2人のエルゴヒューマンの椅子の愛用者が、次はアーロンチェアに買い換えたいと口を揃えて言っていた。座り心地は文句なしなのだが10万円もする椅子にしては数年で椅子のキャスターが劣化したりするという事だ。一生物と思っていた椅子なのに保証が3年くらいしかなく、アーロンの12年保証と比べるとそこが残念な点だという。ちなみにキャスターは5,000円で購入可能だが、高いのでサンワサプライかどこかのメーカーの2,000円の物を購入して代用品としたと書かれていた。

筆者自身も椅子に10万円以上も出すのなら一生物と考えていたのだった。一生物と言えばOtus1.4/55やOtus1.4/85も一生物のレンズとして大枚をはたいて購入し3,4年ほど経ったが、キヤノンから似たような性能を持ちながらAFでもあるRFレンズが出てくると、そちらも欲しくなってきたので、一生物という言葉はなかなかに曲者である。高級な机などは一生どころか2代、3代にわたって使えそうだが。

アーロンチェアを検討

そこで「ハーマンミラー アーロン」という椅子について調べてみたが、こちらもAmazonレビューで見ると大絶賛だが読み進めていくと、甘い白砂糖の中に蟻が一匹混じっているかのように気になるネガティブレビューがあった。やはりステマの話で売り方が気に入らないという。

お値段は一番良いのが20万円。エルゴヒューマンと比べると倍。椅子に20万円も注ぎ込んで良い物だろうか。20万円を椅子に注ぎ込むくらいならそのお金で4KテレビとキヤノンのLレンズを購入した方が良いのではないか。その20万円の椅子の座り心地と同等の安価な椅子が存在するのではないかと気持ちがブレる。

ゲーミングチェアを検討

色々調べるとそれらの椅子よりも最近流行のゲーミングチェアが座り心地も同等だと出てきた。そこで調べてみると15,000円くらいでゲーミングチェアがあるのだが、どれも中華製。そういえばサンワサプライから29,800円くらいで同じようにゲーミングチェアが出ていたが、デザインが如何にもレーシングゲームをするチェアで部屋の雰囲気をぶち壊しにするんじゃないか。また安かろう悪かろうではないかという気がしてきた。そもそもPUレザーというのは経年劣化で3年くらいでボロボロになる代物ではないのか。こないだ5年前に買った財布を段ボールに入れて保管していたのを思い出して使おうとしたのだが、内側の黒張りがボロボロに剥がれてしまっていてカード類が汚れまくった。

Amazonレビューを見ると絶賛されているのだが、商品が買って届いたばかりというのは大体新しい体験をすれば絶賛したくなるものだから少々割り引く必要もあるように感じられる。またレビューの中には明らかに中国語圏で使用される漢字が含まれていたものが散見された。これが日本人を装った中国人のサクラレビューか。

これらの理由からゲーミングチェアの選択は遠のいていった。

Amazonで表示された他の椅子を検討

すると今度はオフィスデザインの白くてカッコいい椅子が出てきた。2,000円引きのクーポンも着いていて15,000円だ。これもしかし安かろう悪かろうではないかという気がしてきたのだ。事実素材が安っぽいというようなレビューもあった。大体中華製でこの値段の場合、日本で作られた椅子の実質的な性能・耐久性と比べるとどれほどの値段の開きがあるのだろう。

安い椅子というと苦い体験がある。昔4,000円くらいで同じようにYahoo!ショッピングか楽天市場で買ったキャスター付きの椅子は、座り心地が良いのか悪いのか忘れるほどに使わなくなって置物化してしまった。10年ほどほったらかしでつい先日粗大ゴミに出してしまった。

エルゴヒューマンかアーロンチェアか

ということでどうせ買うなら高い椅子だとエルゴヒューマンかアーロンで迷うことになった。アーロンは10万円台の椅子もある。しかしここで重さの問題に突き当たる。エルゴヒューマンは30キログラム以上の重さがあるという。家はマンションだからまぁ大丈夫なのだが、部屋の入り口付近に防湿庫を自身防止用のジェルで固定して置いてしまっているので、少し幅が狭くなってしまい最大幅を図ってみると入らない。持ち上げれば入るのだろうが、30㎏以上の椅子を持ち上げられる自信は無い。

なんでもエルゴヒューマンは自分で組み立てるバージョンと、既に組み上がっていますバージョンがあるみたいで、どこで買おうか最安値の機能を駆使しつつ探していたら、楽天市場でWORKAHOLIC storeという評価の高いお店では、ヤマトの特別便で、部屋まで入れて梱包材まで処分して暮れるそうなので、これは良さげだと、買うならここにしてみるかと決めた。

もう一つの最安値のお店は、安いことは安いのだが、どうも店の様子が判然としない。商品の取り扱い数も少なくて、本当に大丈夫なのだろうかという不安がよぎる。ただ販売代理店を介したメーカー直送で、注文が入ったらメーカーに連絡して直接購入者のところに配送してくれるシステムなので、このような判然としないウェブ店舗なのかも知れない。

購入店舗をワーカホリックという実店舗もあるお店に決める

とりあえずワーカホリックという店舗のセールス文章を見てみると、きちんと検査された椅子を送ってくれるそうだし、評価も楽天市場では2,000以上で、楽天市場の月間優良ショップのメダルが表示されていたので、またキャッシュレス還元5%対応の店でもあるので、2020年6月までに購入するならここにしようかと決めた次第だ。

ここにきてYahoo!ショッピングの5の付く日、楽天市場のお買い物リレーキャンペーンなどが開催されており、またYahoo!ショッピングの方はPayPayモールを新設してPayPay20%還元キャンペーンなども還元金額上限付きで開催していたので、これはチャンスかと思ったのだが、やはり椅子に10万円注ぎ込むのはどうだろう、どうせ買うなら奮発して20万円の皆が口々に良いというアーロンの方が高級感もあり良いのではないだろうかと右へ行ったり左へ来たりで定まらない。

そんな折りふとキヤノンのLレンズのことが頭を掠めた。最近風景写真を撮りに行っていると山から夜景や花火を撮るときなどは200mmの望遠単焦点レンズではどうも広く撮れない、という不満があった。135mmの単焦点レンズがあればちょうど良いのになぁ、コスプレ写真を撮るときも手ブレしづらいだろうし、と考えてYahoo!ショッピングで最安値を検索したら10万円を切っている。しかもPayPayモールを利用すれば5の付く日などと併せて合計22%のポイント還元中。

レンズの方に飛びついた。仕事(椅子)よりも芸術(レンズ)を選んだ。

これでシグマの135mmのArtの方を買っていれば「アート」で上手くかかっていたのだが、重さと値段と描写の差異の分かりづらさで純正のキヤノンのレンズを選んだ。

ということで椅子は次回にお預け。ナガサワ文具センターにもう一度エルゴヒューマンの座り心地を確かめに行こうとしたのだが、椅子は既に無かった。

エルゴヒューマンとアーロンを比べた場合、一つ頭が出ているのは、キーボードを置けるオプション品が付いていることだ。これを使えば机の上にキーボードを置かずにブラインドタッチが楽に出来るのではないかと考えた次第。今よりもキーが打ちやすくなり体への負担も減ると考えて、今のところエルゴヒューマンの方に気持ちは偏っている。