シャンデリアを効果的に取り入れて撮りたいときに、定番となっている構図がある。高い脚立に上って、シャンデリアを手前に入れつつその先の2人を俯瞰するという構図。
さて大阪のコスベルAスタジオにあるシャンデリアはとても豪華だが、電灯は灯らない。せっかくのシャンデリアなのでオレンジ色の電灯が灯っているように見せたい。
シャンデリアの真下にオレンジのカラーフィルターを付けたストロボを置く。なるべく2人の方にオレンジに色づいたストロボ光が干渉しないよう、僅かに斜めに首を傾ける。実際光らせてみると、どうしても二人の顔にオレンジのストロボ光が干渉する。しかしオレンジ色の光が灯ったシャンデリアが天井から吊り下がっているのだから、二人の顔色に暖かみが帯びるのも自然の摂理だろう。
透明のシャンデリアをストロボ光でオレンジ色にするには若干コツがいる。正面から撮ったときは、余りオレンジ色にならなかった。原因はカラーフィルターをかましたストロボの光量が小さかったから。ただそれだけのことではあるが、忘れがちだし、光量の配分が難しい。
正面から撮影した写真のカメラの設定はシャッタースピード1/250秒、F7.1、ISO感度320。両側からソフトボックスとアンブレラで光を当てているので、暗いカメラの設定の割りには全体的に明るい。
そこでシャンデリアのオレンジ色の灯りをより強調するため、暗めのライティングにして撮ってみようという事で、アンブレラの方のストロボをオフにし、2灯ライティングで撮ってみた。二人の足下にシャンデリア用のストロボを置いているので、1灯ではなく2灯ライティングとなる点に注意したい。オレンジの光が二人の顔にも当たっている。
シャッタースピード1/250秒、F2.5、ISO感度200。焦点距離は55mm。この設定で撮ると手前のシャンデリアがとても良く暈けてキラキラしている。ただ現場でカメラの小さな液晶画面で見たときはシャンデリアの形状に見えずボカしすぎではないかと逡巡した。しかしこうしてパソコンの画面で見ると充分シャンデリアの形状と分かるし良い感じに暈けている。緩い角のある丸暈けが綺麗。
レンズをF4通しのズームレンズ24-70mmに変えて撮影。焦点距離は35mm。カメラの設定はF4、シャッタースピード1/250秒、ISO感度200。もう少し広く撮ることでシャンデリアとハッキリ分かるように写したかった。焦点距離が35mm前後になった分、被写体の二人は少し小さくなったが、シャンデリアの豪華さは強調された。(file.1074)