聖地での撮影はなるべく背景が分かるように撮りたい。しかしそれだけだと芸が無い。聖地であってもちょっとした工夫を写真に取り入れたいものだ。
ポートレートに最適なレンズは85mmの単焦点レンズと言われているが、この日は広角と望遠レンズを使って撮ってみた。85mmの単焦点レンズは背景が良くボケるが、聖地の背景をボカしすぎるという点と、圧縮効果が余り強くないという点がある。
今回は望遠レンズを使った作例を見ていきたい。冒頭に上げた写真が望遠で撮影した作例になる。
使用レンズはCanonの望遠単焦点レンズEF200mm F2.8L Ⅱ USM。カメラの設定はF2.8、シャッタースピード1/400秒、ISO感度250。パソコンのRAW現像による後処理は以下のパラメータ画像の通り。明るさを若干持ち上げて、彩度もコンマ単位で少し上げ、ホワイトバランス微調整は顔の色がやや赤みが強いかなと感じたので、やや寒色の方に持って行っている。
望遠レンズは標準や広角と比べるとブレやすい。そこで慎重に構えて撮る必要があるが、野外の道でちょくちょく観光客も通る場所でもあるので、早めに撮影を済ませようと矢継ぎ早に撮ってしまいたいという誘惑にも駆られる。手ブレしない焦点距離のセオリーは1/焦点距離x2(秒)なのでこの場合は1/400秒を手ブレしない目安にすればいいが、油断していると手ブレしてしまう。実際この一枚も若干手ブレしているように見える。柵はブレていないからひょっとしたらピントが若干甘かったのがブレに見えているのかも知れない。割合としてはブレていない写真の方が多いが、数少ないブレている写真がレイヤーの好みであるという場合もあるので、やはり望遠レンズを装着している時はピントの精度とブレない写真を心がけて慎重に撮っていきたい。
モデルの後ろに背景が迫ってくる圧縮効果は、望遠レンズを装着することで必然的にカメラマンはモデルから距離を取ることになるので、それ相応の効果が得られている。85mmで撮った写真のあとに200mmで撮った写真をカメラの液晶越しに見せると、200mmの方の写真をとても気に入ってくれた。