廃墟の建物の中で撮影したコスプレ写真。面倒くさかったのか敢えてストロボで顔を明るくしたくなかったのか、背後からストロボ1灯だけのセッティング。初めての廃墟ロケでどう撮れば良いか悩みあぐねている内に雨が降ってきたので、廃墟内に避難しつつ撮っていくことにしたのだが、カメラバッグやショルダーバッグを地面に置いたら廃墟だから真っ白けの泥だらけになる。すっかり気が滅入ってしまったが試行錯誤した末にとりあえず満足のいくものが撮れた。そして今度は「月の涙」を手にしたまま、暗く撮って欲しいと言われた。そう思い出した、暗く撮って欲しいと言われたからメインのソフトボックスを光らせなかったのだ。メインのソフトボックスは光らせずに、背後に設置した三脚から1灯だけストロボを光らせて撮ってみた。すると意外なほどに神々しい写真が撮れた。(2018/11/23/File.3840)
全く予想していなかった絵なので心底驚いたが、恐らく後ろからの強烈なストロボ光が建物内部の壁に反射してコスプレイヤーの顔を明るく照らしたものと思われる。建物内で声を張り上げると音が反響するのと同じように、ストロボ光も反響したのだろうか。
目には2箇所にキャッチライトが入っているが、これは右側と後ろが入り口になっていてそこから自然光が入ったため。冒頭に上げた作例はレイヤーさんの加工でより明るくしているので、実際は顔にやや影が入っているが、それでも暗く写ると思っていたら十分に明るく撮れたのでビックリした。試しに手持ちの無加工データを明るくしてみたら、鼻の影以外は似たような白い明るい顔の写真になった。前からもストロボを当てていれば影も飛ばせたかも知れない。
大光量で発光させていたのでチャージが間に合わなくて希にストロボが光らなかった写真も撮ることが出来た。これは完全に自然光で撮った写真で、グレーがかっていて雰囲気が出ていて良い。(File.3841)
カメラの設定はF1.4、シャッタースピード1/200秒、ISO感度200。焦点距離85mm。
背景を思いっきり暈かして暗くして撮って欲しいと言われたが、ストロボを焚くと光が壁に反響して明るくなってしまった。しかし思わぬ結果に満足してくれたようだ。