ストロボで朝の光を作る方法

ストロボで朝の光の差し込みが作れる!
ストロボで朝の光の差し込みが作れる!

最近ストロボで太陽を作ることが多い。正確に言えば太陽の光だ。窓から降り注ぐ光を作る。画家も光を描くが様々な絵画を鑑賞していると、とても面倒くさそうだ。ハイライトを描いたり明暗を着けたり全体の色味を考慮したり。

その点、写真家は楽だ。自然光の入る部屋と時間を選んで光が被写体を美しく縁取るように位置を指定して撮影する。F値を弄って背景をボカすかクッキリ撮るか決め、シャッタースピードとISO感度で明るさを設定して、シャッターボタンを押したら良いだけ。画家が多くの時間を費やして表現することを写真家はほんの数秒で成し遂げる事が出来る。フェルメールも真っ青になるわけだ。

自然光が入らない場合にはどうするか。ストロボを使う。ストロボで太陽光を演出する。画家が絵筆をふるって光を表現するように、写真家はストロボを光らせて太陽光を作る。

この日はイラストを見せて貰って、こういう感じのが撮りたいと言われた。スマホゲームのカードのイラストだ。白衣を羽織ったラフな部屋着の格好の女の子がソファに座ってあぐらをかいてコップを前に差し出している。よく見ると頭髪にハイライトが見える。衣装と雰囲気からして朝の光が窓から差し込んでいる感じかなと、イラストの全体像を見せて貰ったら、その通りだった。

というわけで太陽光をストロボで作った。既に3灯使っていたので、予備のストロボ430EX III-RTを持ち出してきた。被写体に下から当てていたストロボと交換しただろうか。記憶が曖昧で覚えていない。機材をたくさん置いていて動き回るのが面倒だったでそのままで撮影したかもしれない。下から当てるストロボは光量は多のストロボよりも弱めの方が良いから(お化けライティングになりやすいため)、光量が600EX-RTより低めの430EX III-RTでも構わない。430EX III-RTを同じくらい明るめの設定にするとしばらくするとへばってしまい、すべてのストロボが付かなくなり真っ暗な写真が量産される。ストロボの電池が切れたわけではないのでしばらく休ませると股光り出すのだが、600EX-RTと430EX III-RTを1/2のような光量強めで併用すると厄介だ。

さてどこから光を当てるか。きっとイラスト通りに再現したら喜んで貰えるだろうと、場所を厳選して、後ろの方にある棚に本を積み上げて、なるべく高い位置から光が降りてくるようにした。三脚があれば良いのだが、シェアスタジオで別の組が使っていてない。

やってみたら見事に朝の光が降り注ぐ部屋を演出できた。実際には外は雨の予感をはらんだ曇り空で、窓自体がそんなに大きくなく光は余り降り注がない。ストロボを光らせなければF1.8のような明るいカメラの設定でも薄暗い感じになる部屋だ。右側から光が差し込み、頭の天辺にハイライトが出来て、光が差し込んでいる感じが出ている。(2018/09/08 File.4445/
4473/4496)

体勢を変えて、ソファーに仰向けになる形で、上体は少し起こして貰って。頭の位置が奥まったので、同じ場所にストロボを置いているにもかかわらず、今度は左側から光が差し込む形になった。頭の左側だけでなく、顔や胴や脚の左側もハイライトを帯び、光が差し込んでいる感じを演出出来た。一つ気になる点を上げれば、頭の上の方の床がやや暗めに落ち込んでしまったことだろうか。早朝で光が当たっていない場所と考えれば妥当かも知れないが。(File.4540)

色味は?ホワイトバランスとホワイトバランス微調整で調整する。RAWで撮っておけば画質を劣化させずに、撮影時と同じ感覚・同じ色味で調整することが出来る。もう当サイトで何度も口を酸っぱくして繰り返し行ってきたことだが、検索から来た人が初心者で初耳であるかも知れないから、同じ事を何度でも書く。