遂に念願のネモフィラと人物のコラボ撮影をすることが出来た。以前ネモフィラ畑の写真を載せたときに、ミュージックビデオ風の動画撮影の依頼が来たのだが、おそらくこの場所でクオリティの高い動画を撮るのは難しいだろうなというのと、同じ場所での写真撮影を考えた場合に、ネモフィラの風景写真のような色味や明るさで人物と一緒に撮るのは難しいだろうなという考えがあった。
実際に撮ってみると実際難しく、ネモフィラが青々と写らない。順光で撮ればカメラの設定を暗くするので、ネモフィラも青く写るが、風景写真のネモフィラと比べると少し青さが足りない。逆光で撮ろうとすると人物が暗くなるのでカメラの明るさを上げることになり、ネモフィラが薄い色になってしまう。
現地でデータを確認して貰うと、「ネモフィラ青くしてもいい?」と聞かれた。やはりイメージしていたネモフィラの色と異なるのだろうと痛感。
では空をより青くしたり、緑をより彩色豊かな緑色にしたいときに使う手法を用いるのはどうだろう。8色の基本色の色相を変更できるタブがキヤノンのRAW現像ソフトDPPやadobe Lightroomにあるが、早速いつも使っているDPPでやってみたものの、ブルーの項目をプラスにスライドさせてみても、薄い水色のネモフィラの色を変化が分かるほどに青くヴィヴィッドに変える事は出来なかった。色相をプラスにしてみるとむしろ衣装の部分がヴィヴィッドな青になり、そちらの方が強調されてネモフィラの青の変化が分かりづらくなる上に、衣装の青が濃くなり過ぎて光のバランスもどうも悪い。
また色相や彩度などを極端に変えると、背景の暈けの表現が汚くなることがある。如何にもデジタルな感じで滲んでしまう。
とりあえずその日のうちに写真データをお渡ししたが、コスプレイヤーさんが上げてくれた写真を見ると、少し彩度をあげてくれたみたいだった。
ふと思いつきでこのJPEG画像をダウンロードして、画像編集ソフトで加工してみたら、理想的なネモフィラ畑の色が出てきた。
ここでいう理想的な色とは自然に忠実な色のことではなく、人間の記憶の中にある理想的な色のことを指している。つい先日、オリンパスカラー最強説というツイートが流れてきて、最近流行のシアンブルー寄りの空と海の写真が4枚掲載されていた。そういえば度々TLに流れてくるネモフィラの写真もシアンブルーやアクアといった薄い青色に加工された色味の写真が多く好まれていた。
ちなみに筆者が上げているネモフィラ畑の写真は彩度と明るさ以外は弄っていない。ああいった色味にするにはどうしたら良いだろうと疑問に思いつつそのまま写真を掲載していたのだが、今回写真を編集してみたら、ちょうどそれに近い色の写真が出てきた。
下の比較画像は同じ写真をRAW現像から編集したネモフィラ畑。衣装の部分の色は変わっていないが、ネモフィラ畑の色は描写の破綻も飽和も起こさず大きく変わっている。
ということで、今回のプレミアム記事は、人物とネモフィラのコラボ写真で、ネモフィラの部分だけ理想的な青色になるようにする方法を紹介したい。内容は以下の通り。RAWデータとJPEGデータ双方の加工方法を掲載している。
- Lightroomを使ったRAW現像での加工方法
- Photoshopを使ってJPEG画像のネモフィラの部分だけ色を変える方法
- オマケ:現地での撮影でネモフィラ部分だけを青く撮る方法
ネモフィラに限らず、人物と他の花や背景などの写真で、希望する部分の色や明るさを理想的に変えたい場合にも使える方法。ご興味持たれました方はご購読頂きたい。