F8からF2へ変える時の注意点と白飛び防止策

白いトレーナーに水色のウィッグ、白飛びを防ぐには?
白いトレーナーに水色のウィッグ、白飛びを防ぐには?

5人の集合写真を可愛い感じで撮る事になった。集合写真というと全員にピントを合わすためにF値を絞って撮ることがまず頭に思い浮かぶが、慣れてくると全員にピントを合わすためにF値を絞るよりも、F8よりもF10まで絞った方が解像感豊かに撮れるだろうかという事が頭に浮かび、全員にピントを合わせるという考えがどこかへ行ってしまう。この人数で全員にピントを合わせるのはもはや当たり前のこととなってしまう。

25人とか30人の大人数の集合写真を、それこそ円形だったりV字だったりとかなり特殊な陣形で撮る場合にはさすがにピントが全員に合っているように撮るためにはどうすれば良いかという事が頭の中で働くが、それに比べて5人となるとピント合わせよりも解像感の方に思考が持って行かれる。

まずは絞って撮った。絞り値の設定はF8。横一列に仰向けに寝転がっているのだから当然全員にピントが合う。合わないとすればAFが迷うほど暗いか白いかのどちらかだ。

ベッドの枠を前景に入れて撮っていたので、この白い枠を暈かして撮りたくなった。F8でも前景が近いので充分暈けているのだが(2019/2/27/File.9749)、もっと暈かせば幻想的な絵が撮れるのではないかという事で、F2に設定した。

前景が暈けたのは良いが、明るさが抑えきれない。水色のウィッグは白飛びしやすいし、白いトレーナーも当然白飛びしやすい。(File.9754)

なぜ白飛びしやすいかと言ったら、白飛び防止機能の高輝度側・階調優先モードをオフにしたからだった。というのもF2まで開けて撮ると、どうしてもストロボ光を弱くしなければ写真が明るくなりすぎる。ストロボ光が弱くなると、スタジオの照明の方が被写体に与える影響が大きくなる。雑居ビルを改装したスタジオの天井の灯りは、演色性の良い撮影用でないことがあるので、肌の色が余り良い色に撮れなくなる。演色性の良いストロボ光を強くすれば解決するが、その為にはISO感度をなるべく低くして明るさを抑えたい。

高輝度側・階調優先モードをオンにすると最低ISO感度200になるが、これを100にするためには白飛び防止機能をオフにするしかない。

そうしてオフで撮ってみると、全体的な適正露出で、ウィッグやトレーナーなど白飛びしやすい部分が簡単に白飛びしてしまった。高輝度側・階調優先モードのオンオフで、こんなにも白っぽい部分がパリッとした質感になってしまうのか。

顔の血色を良くしようと思えば、その1つの方法として明るさを上げる手があるが、そうすると白飛びしてしまう。やはりストロボ光の影響が強い方が肌の色が良い。

F8で撮影した写真も、高輝度側・階調優先モードをオフにした写真は、トレーナーが白飛びしていた。RAW現像でもデータが無い部分(RGBが3つとも255を示した部分)は回復できないので、やはり白い衣装や飛びやすいウィッグの色を撮影するときの白飛び対策としては、高輝度側・階調優先モードをオンにするか、暗めに撮ってRAW現像時に暗い部分の明るさを持ち上げるという処理を行うしかなさそうだ。