集合写真を撮る時に焦点距離を自由自在に変えることが出来る、つまり画角を自由自在に変える事が出来るズームレンズは重宝する。撮影場所によっては全員をフレーム内に収めるために、距離が取れなかったりすると、単焦点レンズでは被写体がフレームアウトしてしまい集合写真が撮れないこともあるからだ。
そこでフレームに融通の利くズームレンズの出番というわけだ。ズームレンズを使えば、たとえ距離が取れない狭い場所でも、固定された場所から簡単にメンバー全員をフレーム内に収めることが出来る。
しかしここで気をつけなければならないことがある。必要な焦点距離、例えば集合写真を撮る時なら、何とかぎりぎり歪みが少ない35mmの焦点距離が必要な場合、35mmの焦点距離をカバーしている焦点距離16-35mmの超広角ズームレンズと、焦点距離24-70mmの標準ズームレンズの両方を所有していたら、どちらのズームレンズを使えば良いのかという問題が生じる。
超広角ズームレンズを付けていれば、パースを効かせたダイナミックな集合写真を撮ることも可能だろう。そのような写真を撮ることを想定して、集合写真の撮影で超広角ズームレンズを使っていると、色々と問題が生じる。
まず解像の問題。超広角ズームレンズのワイド端35mmと、標準ズームレンズの35mmは、解像が異なる。超広角ズームレンズは周辺描写が流れやすくなっており、端まで人物を入れたい場合には、端に位置している人物が余り解像していない写真が撮れてしまう。
また、同じ焦点距離35mmでも、超広角ズームレンズと標準ズームレンズでは表現力が異なってくる。コレはどのレンズにも言えることだが、同じ焦点距離のレンズでも、レンズAは歪みが少なく、レンズBは歪みが多いというのはよく聞く話だ。
これと同じ事が超広角ズームレンズと標準ズームレンズにも言える。同じ35mmでも超広角ズームレンズは、標準ズームレンズと比べて歪みが生じるので、集合写真の撮影には向かない。全員を歪ませずに綺麗に写すためには、標準ズームレンズを使う必要がある。
上に掲載した一枚目の写真は、標準ズームレンズで撮影した。端の人物の歪みもほとんどなく、描写もそんなに流れていない。二枚目の写真は超広角ズームレンズで撮影。端の人物が歪んでしまい、描写も大きく流れている。このサイズの写真では余り違いは分からないが、等倍で見ると上に解説したようにハッキリと描写が異なっている。
もしキチンとした集合写真が撮りたいなら、各レンズの描写の特性は頭に入れておいて損はない。用途に合ったレンズの選択を心がけよう。