人間の目は高性能なレンズのようなもので、明るいところから暗いところまで、カメラよりも幅広く捉えることが出来ると言われているが、人間の目でも白飛びして見えるところはあるのだろうか。夏に川沿いを歩いていたら、きつい日差しを照りつけていた川の水が白かったことを思い出し、ふとそんな疑問が湧いた。
紅葉が色づき始めていた。これからもっと赤々とした色になるのだろう。今年は記録的な台風による塩害で紅葉がダメになったという話を聞いて京都の方に日帰り紅葉旅行に行こうか迷っている。しかも紅葉が最も見頃の11月後半にコスプレ撮影の予定を漸進的に詰め込みすぎたので、あちこち行っていたら体が持つかなと少し心配になっている。
当日に急遽撮影依頼が入り、機材をカメラバッグに詰め込んでシャワーを浴び家を飛び出した。LINEに連絡が来てから2時間半で目的地に着く。途中公園でマックの昼食を撮りつつ、コスモス畑があったので撮影しつつ、目的地に着くとレイヤーさんは既にあらかた着替えを済ませていた。
12時半頃から撮影を始めた。11月なのに夏日のような日差しの照りつけようだった。どこか良い場所はないかと探していたら、紅葉が色づいている場所がある。ちょうど逆光の位置でもあったし、そこで撮る事になった。
紅葉とのコラボ写真はなかなかに難しい。カメラの液晶画面で確認するだけでは、よく撮れているのか判別がつきづらい。結論から述べると家に帰ってパソコンの大画面で見たらよく撮れていた。
紅葉をフレーム内にどれくらい入れるか、ちょっぴりか、たくさんか、モデルと半々か、色々試しながら撮っていく。
半逆光で、明るく撮ろうとすると、モデルの顔の縁が白飛びしてしまう。しかしまぁこれはこれで、キラキラ感が出るからいいかと思ったのだ。
白飛びを防ぐ方法としては、まず一番手っ取り早いのが暗いカメラの設定で撮ることだ。背景を思いっきり暈かしたいからF値は上げたくない、そこでシャッタースピードを速くする。しかし問題は、モデル自体が暗くなってしまうことだ。逆光時に絞り優先AEモードで撮ると、どうしてもモデルの顔は暗くなりがちだから、露出補正をプラスに持っていって明るく写すことになる。そうしたらやはり白飛びしがちになる。
もう一つの方法は高輝度側・階調優先モードをオンにする事だ。しかしこのモードをオンにすると、暗めに撮って暗い部分を持ち上げるらしく、ハイライトが抑えられてしまう。金属を撮る時などは金属特有の艶感が乏しくなるとカカクコムの掲示板で言われていた。
それならはじめから暗く撮ってRAW現像の段階で白飛びを抑えつつ暗い部分を持ち上げる処理を施せばいいのだけれど、現場で暗い写真を見せるとレイヤーさんにもっと明るいのがいいと言われがちなので、高輝度側・階調優先モードをOnにして撮る事になる。このモードをオンにすると、Canon DPPを使ってRAW現像する際に、オートライティングオプティマイザ(自動配光最適化)が使えなくなるというデメリットが1つある。
しかしOnにして撮っていく。顔の縁が白飛びをしている写真としていない写真を撮ったが、やはり白飛びしているとキラッとしていて良いかなと思ったのだった。