男装アイドルコスプレの撮影。場所は旧WTC。久しぶりのWTCだったけれどここで撮った記憶は残っているもので、エレベーターホール前のガラス張りのフロアはすっかり定番となっている。問題は写り込みをどう防ぐかだが、その点に関しては以前プレミアム記事にしたので、そちらを参照して戴くとして、今回はアイドルのキャラクターを印象的に撮るにはどうすればよいかという事に重点を絞って書き記していきたい。
アイドルと言えば光。ファーーっとした神々しい光が似合っている。衣装もまるで豪華なロシア貴族のように胸元や脚に宝石が鏤められているデザイン。コンセプトとしてはPVにもある空港ということなのでそれに近いWTCが選ばれたが、とりあえずは神々しく撮りたいというのがある。
そこで定番の後ろからストロボを光らせる方法を試してみた。光らせていない、光らせている写真を見比べて貰ってどちらが良いかレイヤーさん達に聞いてみたら、やはり光らせている写真の方が良いと言われた。事前に参考写真を見せて貰い、後ろから光らせた写真が良いと言われていたが、その作例写真はストロボをモデルの真後ろから当てて光の輪郭を形作る手法だったので、少し趣向を変えて撮ってみた。
ストロボでフレアを作るのは簡単なようで難しい。要はレンズに対してストロボを向けて光らせれば良いが、ストロボをフレーム内に入れるのと入れないのとでも違ってくるし、レンズに対するストロボの角度が少し違うだけでも違ってくる。またストロボの明るさ、照射角でも違ってくる。
初めは後ろからのストロボの光を十字にして欲しいと言われていたのだが、クロスフィルターをつけて撮影するとどうしても十字の光がモデルの顔の前を横切ってしまうので、フィルターは取り外して撮影した。しかし衣装に宝石が鏤められているのでそれらの装飾がストロボ光で光ると十字に輝いたり、クロスフィルターをつけるとキラキラ効果の他にソフトフォーカスフィルターを装着しているかのように若干ではあるがフンワリとした仕上がりになるので、十字の光がモデルに被らなければクロスフィルター装着もアリかなと思った。
しかしそれにはライトスタンド代わりにしていた三脚の高さが足りなかった。三脚に取り付けたアンブレラホルダーを横に倒すことで写り込みを防ぐ際には便利なのだが、もう1本足して両側から光のフレアを演出したい場合には、よりコンパクトでより高く設定できるライトスタンドの方が便利かなと痛感した。
一応ニッシンなどからその手の軽いカーボン製ライトスタンドは発売されていて大人気だが、14,000円前後と若干お高い。同じ性能の重くて大きいライトスタンドよりも高価だ。軽くてコンパクトな面は良いので、検討に入れておく価値はあるだろう。