脚立に乗って上から撮る時に気をつけなければならないのは、ソフトボックスやアンブレラの高さと角度だ。
今まで正面から撮っていたときとは違い、必然的にモデルは顔を上げる。すると設置していたソフトボックスやアンブレラの角度によっては、顔の表面にライトが届かなくなってしまうことが起こりうる。要は正面から撮っていたときと比べ、顔が余り綺麗に写らなくなる。
そこで脚立に乗る前に、ソフトボックスを取り付けているライトスタンドを高くして、角度も調整する。顔を上げたモデルに対してソフトボックスが平行になるように高さと角度を調整すると、モデルの顔が綺麗に写る。
作例では3灯を使った。メインのソフトボックスは高く上げ、残りのアンブレラ2灯はそのままの配置にした。三方から光を囲むことでモデルの全身に光が行き渡り、顔も輝いて見える。三方から光。三蔵法師だけに。なんちゃて。
カメラの設定を見ていこう。シャッタースピード1/125秒。これはやはり背景をなるべく明るくしたかったからだろうが、恐らくストロボ光が背後の壁にまで届いて明るくなるだろうから余り気にしなくても良いかも知れない。
F値は7.1。解像感溢れる人物写真を撮りたい。また上から撮っても、頭の先から脚の爪先までピントが合うようにシャープに撮りたい。そういう想いを込めてこの数値にした。それでも上からの撮影だと脚の方がややボケてしまっているが、写真を見たときにまず初めにそこに注目する人は恐らくいないだろう。
解像感は豊かだが同時に肌の質感もありありと出る。しかし肌レタッチまたその他のテーピングなど余分な物を消すレタッチはコスプレ写真界隈では美しい写真に仕上げるための必須事項となっており、レタッチ段階で解消されるので、なんら問題ない。
ISO感度200は明るさを上げるため。仮にこれがISO800〜1600くらいだと、ノイズ処理による疑似肌レタッチが成されて、ツルっとした肌に仕上がった可能性もある。