最高の打鍵感! HHKB(ハッピー・ハッキング・キーボード)購入レビュー! – 3週間使ってみた実感

買って大正解だったHHKB

HHKB(ハッピー・ハッキング・キーボード)というキーボードを購入した。数ヶ月ほど前Twitterのタイムラインに大手ネットサイトの記事が流れてきて、関心を持ったのがきっかけだった。

購入に至るまでに1ヶ月以上を要したが、普段ブログの執筆にも使っているキーボードで、且つ35,000円と高額の高級キーボードなので、迷いに迷った。

そもそも家電量販店に行っても置いていない。直販しかやっていないらしく、東京大阪の小洒落た小さなお店には置いているらしいが、そういうお店には入りづらいし、ヨドバシカメラ梅田店から徒歩4分の所にあるみたいだが、コロナ禍で週3回ほどしかお店を開けていないそうなので、どうも足を伸ばしづらかった。

結局、展示品は家電量販店にもパソコンショップにも置いていなかった

とりあえず実物はないかと、これまた人気のゴーストオブツシマというゲームソフトをヤマダ電機LABI1なんばに買いに行ったついでに、地階にある広大なパソコン売り場でキーボードも見てきたのだが、ざっと見2,000円程度のキーボードしか置いていなかった。一応試し打ちしてみたが、果たして安いキーボードが良いのか悪いのか分からない。つまり打ちやすいか打ちにくいかの問題だ。何処の店でもそうだったが、そもそもキーボード売り場のキーボードはよく見えるように陳列棚に斜めに立てかけられて展示されており、実際にテーブルに置いて椅子に座ったときに打ちやすいかそうでないのかが体感しづらい。

せっかくなので地理的にお隣のオタロードにも寄っていろんなパソコンショップに入ってキーボードを探してみたが、HHKBは置いていなかった。オタロード辺りも、もう自分の年には合わない街になってきたと肌で感じる。そもそも自分がアニメオタクであった時があっただろうか。心の芯までどっぷりハマったアニメと言えば『ナディア』と『エヴァンゲリオン』くらいで、その他はその2作品ほど熱を入れていたわけでもない。やはり思春期の多感な頃に観たアニメ作品が一番ハマりやすい。もちろん作品として面白いものは沢山あるのだが、昔と比べて感じ入ることがなくなった。今はもっぱら小説や歴史関連の学芸書を読んでいる方がエキサイティングする。それでも最近はコスプレ写真を撮るようになり、撮影やアフターでの会話がきっかけで面白いと評判の作品を知る機会を得て、岩盤浴の漫画コーナーに空いている平日を狙い朝から夜遅くまで入り浸ってガッツリ読んでは少年の頃のように胸躍らせている自分がいることにも気づく。

オタロードでは昔はよく路上ライブなどもやっていて観に行ったものだが、あの頃からお巡りさんに止められていたので、その文化は廃れていき、見かけることもなくなった。その代わりメイドの客引きだけはやたら彼方此方と目に付く。この日は愛想の良い1人のメイドに宣伝用のうちわを差し出されたが、そういう店に余り興味も無いので素通りした。しかし数ヶ月ぶりにオタロードに来た記念に1つ貰っておいてもよかったとすぐに後悔。オタロードもいろんな店が出来ては潰れ出来ては潰れと入れ替わりが激しく、来る度に目新しい店の看板を見かけるが、ラーメン屋とたこ焼き屋は見慣れた看板を掲げて営業していた。ラーメン屋は入ったことはないが、オタロに来るとよく立ち寄るたこ焼き屋で久しぶりに空腹を満たす事にした。10コで350円か450円だっただろうか。近所のチェーン店よりも安い。

日本橋オタロードを満喫した後は、四つ橋筋を北上し、鬱蒼とした公園の前にあるオリックス劇場で『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオーケストラ映画鑑賞を挟んで、夜に梅田のヨドバシカメラの方に足を運んだ。大阪メトロ御堂筋線なら北へと向かう場合には先頭の車両に乗れば改札を出てすぐの所にある便利さ。ところがヨドバシ梅田から阪神電車の方へ戻るとなるとこれが実にややこしい道順と距離を取らなければならない不便さだ。御堂筋線の改札横に阪神電車のエリアに通じる一本道でも造ってくれたら便利なのだが。

キーボード売り場のコーナーに行ったが、東プレのリアルフォースというキーボードは沢山置いてあった。HHKBと同じ値段帯で違いは良く分からない。しかし筆者としては話題になっていて歴史も長いHHKBがどうしても触りたい。スマホで検索してみると3年ほど前は置いてあったみたいで、写真も掲載されていた。

購入初日 設定の戸惑いと慣れない打鍵感

何たる徒労感。仕方なしに家に帰り、Amazonや直販サイトのあるYahoo!ショッピングのレビューを見て決める事にした。1,2週間ほど迷ったが早く試してみたかったので、ポイント還元率の高いYahoo!ショッピング内の直販店で購入。

注文の翌日に届いたので早速セッティング。しかしここで躓く。まぁ説明書を余りよく読んでいなかったのが問題なのだが、キーボードに電池を入れて、電源を長押しし、Bluetoothを待機状態にする複数同時キーを押し、更にiMacとペアリングする複数同時キーを押してから、iMacシステム環境設定のキーボードでペアリングされるのを待ったが一向に認識しない。

そこでiMac画面右上のBluetoothのアイコンからBluetooth環境設定を実行すると、しばらくしてからHHKBのアイコンが表示されるので「接続」を実行。ところが6桁の数字が表示される。これを何処に入力すれば良いのか、説明書も画面もよく読んでいなかったので迷った。

てっきりiMacのキーボードに打ち込めば良いのかとやってみたが、何も変化無し。説明書をよく見るとHHKBで打ち込めば良いとのことなので、やってみると見事に接続完了。日本語JIS入力を選んだ。

どんなときも初めてのキーボードは打ちづらいもの

さて実際に文章を打ってみると打ちづらい。そもそも深いキーストロークのキーボードを使うのはウン十年ぶりで、初めてパソコンを買って貰ったとき以来だろうか。国産レジェンドパソコンのNEC9821や一時期格安パソコンとして一世を風靡したソーテックを使っていたときは深いストロークのキーボードで、それ以降はノートパソコンのキーボード、再度NECのデスクトップ擬きに戻ってからはキーストロークの浅いキーボードで、iMacに乗り換えてからはそれよりも薄いApple Magic Keyboard。

ではそもそもなぜHHKBを購入したのか。家にあった昔のキーボードを数年前に久しぶりに触ったときに随分柔らかくて打ち心地が良いと感じたことを覚えていたからだ。最近キーボードについて色々調べてみて知ったのだが、打鍵感というらしい。

それにグレーに近い白の色が懐かしかったから、パソコンを買って貰った当時に戻ってみたいという気持ちもあった。

キーが指に当たる違和感

ノートパソコンに乗り換えたときもそうだが、新しいキーボードに触れると、ほんの少しの差異が指の負担になる。実際に久しぶりに深いキーストロークのキーボードを打ってみて、指が疲れた。iMacのApple Magic Keyboardは薄いから指が他のキーボードに当たることがないが、深いキーボードは打っているときに他のキーボードに指が当たりどうもこれが余り心地よくないというか、打ち間違えそうな一抹の不安がある。とにかくタイピングをしていると指にキーボードが当たる。

スペースキーが短い故に日本語入力モード変換の打ち間違いが生じる

あとはスペースキーがApple Magic Keyboardと比べて若干短いために、英字から全角かなに変える時に、右隣のkanaの方を押してしまい、日本語が即座に入力できなかったりする。また右のシフトキーも短めなので、記号を打ちたいときや、英字を大文字で入力したいときには煩わしさを覚える。小指を使うわけだが、間違えて左隣の↑キーを押してしまい、既にある文章の途中に移動してそこに記号を打ってしまうという間違いを犯してしまいがちだ。

キーマップを変えられるそうなので、kanaキーを全角変換に変えるか、↑キーをシフトに変えるか。左側のシフトキーは長いが、キー最上段・左の記号を打つには左の指を広げなければならないので、右小指でのシフトキーが使い勝手がよい。

それ以外は、iMacのFキーでやっていた音量調整や画面の明るさ調整をどうやれば良いのか。独立したFキーがないので、一発で変える事が出来ない。やり方が分からないので、後で調べておく必要がありそうだ。

指が張ってしまった

実際打ってみると指をいつもよりも広げないと打てない感じがして、指が疲弊してしまった。グーパーを繰り返し、凝り固まってしまった指をほぐす。これに関しては、Apple Magic Keyboardでも同じような疲労感を感じていたのではないかと思ったのだが、昼寝の時間帯でもあり指の疲労と重なり、とりあえず眠ることにした。しかし3時間ほどの昼寝後でも指の疲労は取れなかった。

文章を打つのがメインなので、他にはこれと行って不便なところはない。使い慣れていないキーボードだから思い切り使いまくれば指も慣れて来るかも知れない。初めてのキーボードで文章を打つときは、思考がそのまま指を伝ってキーの上に流れていきにくいところがあるから、とにかく2週間ほど使い込んでまた感想を載せたい。

パームレスト必須の高さ

値段も高いが、高さも高いから、パームレスト必須。なぜこの高さなのか。とりあえずキーボードと同じ高さになるよう畳んだタオルの上に、2年ほど使い込んでいるシリコン製のリストレストを置いてみた。キーボードの角度は三段変えられるが、とりあえず一番低い角度にした。

という事で初使いで、肩も少し張って指はもっと張ったが、慣れてみないことには製品の良し悪しは分からない。Apple Magic Keyboardと違って打鍵感は柔らかく心地よいのは確かだ。大きさもそう大して変わらないから、キーピッチも同じ程度だと思うが、如何せんキーストロークが深いせいか、普段よりも若干指を広げてタイピングしているような感触があり、それが指の張りに繫がった。

音は静か。これに関しては好みの問題か。部屋で使うことしか今のところ想定していないから、問題は無い。とにかく打鍵感の軽さはある。

あと何度も言うが慣れの問題もあるだろう。キーボードを酷使する心持ちでシャカシャカ打っていけば、深いキーストロークにも指に他のキーが当たる感触にも慣れて来るような気はする。ノートパソコンを買い換えた際にキーボードが使いづらくて酷い肩こりで疲弊してしまい悪い買い物をしたと後悔したこともあったが、そうならないことを祈るばかりだ。それほどキーボードというのは大切だ。

キーストロークの全く異なるキーボードに鞍替えして、タイピングに慣れるかが問題

そもそも今まで薄いキーボードに慣れてきたのだから、今更キーストロークの深いキーボードに鞍替えしたところで上手く使いこなせるかどうか。気になるのはやはりタイピングの時に他のキーに指が触れることで、これがなにがしか指の次の動きを妨害されているような感じがしてならない。とにかくHHKBによる高速タイピングに慣れるしかない。

試しに昔購入して、チャタリングが酷かったのでほったらかしにしている薄手のキーボードを試してみると、これが打ちやすい。他のキーに指が阻害されない。チャタチャタチャタチャタと打てる。やはり自分には長年使ってきたキーストロークの浅いキーボードの方が向いているのではないかと感じる。次から次へと打つのが、キーストロークが高いとどうしても指にキーが引っかかって打ちにくい。或いはそういうものなのかもしれない。他のキーに指をぶつけつつも打ち込んでいくのがこの手のロートルなタイプのキーの仕様なのかも知れない。店頭で別のキーストロークの高いキーボードを触ってみて嫌な予感はしていたのだが。

あとはやはりキーが高いせいか、次のキーを打つ際に指を持ち上げる必然性が生じ、そのことが指の疲労に繫がったのかも知れない。ならばわざわざ指を上げなくとも低空飛行のように打っていけば良いのではないかとやってみたが、これはこれで色々指に当たってやはり違和感がある。今までのタイピングの癖が抜けきらないせいだろうか。

とにかくタイピングした後は指をグーパーグーパーしてほぐすようになった。Apple Magic Keyboardの時はそんなことはしていなかったから、やはり指が疲れているのだろう。

2日目 キーマップを変更してみる

さてHHKB使用2日目。手の指の疲れというか張りがまだ取れず。買ったばかりの慣れないノートパソコンでタイピングしたときと同じ張りだろうか。とにかくあの時は頭が酷く絞られるような疲労感を覚えたが、今回は指だけだ。

やはりキーの角に指が当たるので、打ち間違えはないのだが、それが気になる。果たしてこのキーボードは打ちやすいのだろうか、Apple Magic Keyboardの方が高速タイピング出来るのではないか、今までキーストロークの浅いキーボードを長年使ってきたので今更深いキーストロークは慣れないのではないか。

そこで1度Apple Magic Keyboardに戻してみた。やはり他のキーが指に当たらないのが違和感がなくて良い。しかしカチカチという軽い音がどうも、打っていて指からの思考を少し阻害するところがあるというか、まぁまやかしかも知れないが、何というか、跳ね返りが硬いので、一文字一文字を力強く打ち込んでいるような感触があり、HHKBと比べると滑らかなタイピングに若干欠けるところがある。

しかしこちらの方が長年使っていたから高速タイピングという点に限っては打ちやすい。今回の買い物は失敗だったかともう一度HHKBに戻して打ってみると、キーが柔らかい。まるで硬いクッションから柔らかいクッションに変えたかのような心地よさがある。どちらのクッションも機能的なのだが、柔らかくなったことで心地よさが増した感じだ。あとバックスペース【BS】キーの反応がなぜか速い。

キーマップでキーの機能を変更

やはり問題は、kanaキーと日本語全角変換キーを間違えてしまう点。スペースキーが短い文、打ち間違えてkana入力されてしまう。これは指を慣れさせるべきか、キーマップで入れ替えてしまうべきか。結論として、1度キーマップで変更してみることにした。

また小指で右端の小さなシフトキーを押すのも難点を感じる。無変換で英字の大文字を入力する際は必須のシフトキーだが、今までの慣れで間違えて↑キーを押してしまい、カーソルが上に移動して、そこに新たな文字を入力するため、消して打ち直さなければならない。

アンダーバー【_】を入力するときもシフトキーの隣の↑キーを押してしまいガチ。そこでこれも変えてみた。↑キーをシフトキーに変更。2キー分のスペースがシフトキーになったので打ち間違いがなくなるのではないか。

あとたまに、何のキーを押したのか、漢字変換前だったのか、一文を丸ごと削除してしまうことがある。1のキーを押したつもりが、その左隣のEscキーを押してしまったものと思われる。これはワープロアプリPagesの編集から取り消すを押せば元に戻るが冷や汗ものだ。

やはりタイピングしていると心地よいので、机の前に座り何か打ちたくなってくる。キーを深く押し込まなくても入力されるから、高速タイピングを向上させるには、浅いキータップの方が良いのだろうか。習得が大変そうだ。

5日目 キーを打つ中毒性

タイピングの時に他のキーが指に当たるのはだんだんと慣れてきた。しかしながらApple Magic Keyboardに戻るとこちらの方がずっと慣れ親しんできたためか、高速タイピングをするのには良いと感じる。しかし打鍵感がHHKBの方がスコスコスコスコという音で軽さを覚えてやみつきになりそうだ。実際このスコスコ感を味わいたくて椅子に座ってキーボードを打ちたいという不思議な欲求に駆られてしまう。筆者はどちらかというとナマケモノで余り机の前に座って仕事をしたくない質の人間なのだが、HHKBを打ちたいが為に椅子に座りたいと思うようになったのだから、HHKBを購入して数日でかなりの心境の変化が生じている。

指の疲れはかなりマシになったように思う。確かに沢山の文章を打ってても余り疲れを感じない。後は打ち方の問題だろう。今までキーストロークの浅い、故にキーが指に干渉しないキーボードを数十年使い続けてきたから、パソコンを使い始めたときの深いキーストロークのキーボードに慣れていない。HHKBで高速タイピングをするにはやはり打ち方を変える、指にかける強弱を変えた方が良いのだろうか。

右の手のひらをシリコン製のリストレストから少し浮かしたほうが打ちやすいのか、指を低空飛行の心持ちで他のキーにぶつかりまくることを気にせずにキーボードの上に指を華麗に泳がせていった方が良いのか。

キーマップを元に戻して指に慣れさせる事を決断

キーマップは結局元に戻してしまった。かな変換と無変換はこれくらいの差なら慣れた方が良いだろうし、小指で右のシフトキーを押しながら英字を打つのも習得できないことはないだろう。

そもそも↑キーは、文章をタイピングする際に、上の行に戻りたいときに頻繁に使っていたので、これがないと穴が空いたバケツみたいで非常に不便した。

HHKBのキー配列に慣れていく一方で、今度は左上のESCキーとその右隣の1キーを打ち間違えて、文字が入力できずにPagesでも右のメニューが消えて文章が選択されていない状態になったりすることがたびたびある。

HHKBキー(Caps)で知らず知らずのうちに大文字入力

もう一つは同じく左下のFnファンクションキーとHHKBロゴのCapsキー。Apple Magic Keyboardではこの位置が逆だったので、どうも間違えやすくて、大文字モードにしてしまうことがある。また大文字になったときはApple Magic KeyboardならキーにLEDランプが点灯していて分かりやすかったが、HHKBはないのでどちらの状態なのかが分からない。

これは何が問題かというと、大文字入力になっていることに気づかずに、サイトのパスワードを入力する際には、パスワードの文字が見えなくて●で表示されるので、間違っていることに気づかない。特に銀行のパスワードは数回間違えるとロックがかかってしまい、ロック解除のために実店舗に赴く必要が生じる場合もあるので注意が必要だ。

音量や画面の明るさのショートカットキーを覚える

Fnキーと他のキーを同時に押すことで、パソコンの音量の上げ下げや明度の調整などに使える。キーの前面にVol_Dn(ボリューム・ダウン)、Vol_UP(ボリューム・アップ)等が印字されている。Apple Magic Keyboardは最上段のキーを1つ押すだけで調整できたが、そこが少し面倒なところ。音量調整をしようとキーを押すのだが、どうもFnキーは左端過ぎて、同時押しの際に小指を広げなければならず少し不便さを覚える。

ボリューム関連はキー左翼、画面の明度ハキー右翼に配置されている。最初は画面の明るさを上げる2度のキーなのか印字されている表記を見ても迷った。しかしながらキー右翼の機能は最下段のFnと近いので使いやすい事に2週間後に気づく。長いブログをワードプレスを使って書いているときや、ブラウザ閲覧時には、MagicTrackPadを使うよりは遙かに楽で指の負担が軽減される。

その他のキーはApple Magic Keyboardを使っていたときと全く同じ感覚で使える。

柔らかい打鍵感と心地よい音が、タイピングする快楽を生じさせる

吸い寄せられるようにまたタイピングしたいと思わせるキーボードだが、これすなわち仕事をしたいと思わせるキーボードという事にもなる。キーのスコスコ感を味わいたいという欲求は、あたかもプチプチをただひたすら意味も無く無心に指で潰したい、ビーズクッションを何時までも指でニギニギプニプニしたいという中毒性にも似通っている。キーボードの耐久性は抜群との謳い文句なので、ハードに使っても10年は持つだろう。実にいい買い物をした。はやくHHKBに慣れて高速タイピングを向上させたい。

1週間目 すっかりHHKBの虜に

HHKBを使い始めてから1週間が経った。指の疲れは気にならなくなってきた。少し張った感覚があるが、これが当たり前になってきている。高速タイピングにも慣れてきた。

日本語変換にはATOKを使っているのだが、長文を打って文字を次々と変換していく際、次の変換フレーズに移るときに↓キーを使う。その機能を1個斜め右上のシフトキーに割り当てられれば打ちやすいのにといつも思う。そこでATOKのメニューからキー・ローマ字カスタマイズを選んで表示させたのだが、変換キーの組み合わせがべらぼうに多い。こんなに多いとは思っても見なかった。さて自分がカスタマイズ(変更)したい機能を探すも、慣れない名称でなかなか見当たらない。↓キーから探すと見つけたので、カスタマイズしようとしてみたが、シフトキー単体では変更できない仕様であることに気づいた。

シフトキー1発で移動できたらかなり楽なのだが、やはり使用上問題があるのだろうか。まぁHKKBのクッションのように軽い↓キーをずーっと押し続けたらサーーっとあっという間に全てのフレーズが変換し終わるから快適且つ快楽的ではある。これも慣れるしかないか。

まるでプチプチやビーズクッションのように中毒性のある柔らかい打鍵感のあるキーボードだ。打つだけでなく目に入るだけでも何か打ちたくなってくるのが凄い。キーを打つことを、仕事に向かわせることを中毒にするキーボードがあるとは、話には聞いていて眉唾物だと思っていたが、実際に本当にあるとは思わなかった。これははApple Magic Keyboardのカチカチという打鍵感には戻れない。

しかし最近眠気に襲われることが多いのでなかなかパソコンの前に座れないのも事実。お昼ご飯を食べて、そのまま堅いポテチとコーラを胃に入れると、眠たくなってきて、キーボードを打つべき時間帯に2,3時間寝てしまう。これはHHKBとは別の問題ではあるが。

指の張りは少し気になるところだが、使わない筋肉を使ったから張りがあるようなもので、そのうち解消するだろう。

3週間目 キーボードを鞍替えした事による数々の難点を克服

HHKBを使い始めてからはや3週間が経過した。もうApple Magic Keyboardには戻れない。上記で述べた懸案事項、指の張りも、Apple Magic Keyboardでは1つのキーで出来ていた音量調整や画面明るさ調整も、小さい右シフトキーの記号入力や日本語変換キーの打ち間違いも、↓キーでの変換スペース移動も全て克服した。タイピングで次のキーに移動するときに指型のキーに干渉するのも慣れた。不思議なものでぶつかる度に指とキーボードが一体感を伴ってくる。

たまにEscキーを押して変換候補の文章を全て消してしまうことがあるから、これだけは今後の課題だ。

それ以外は、Apple Magic Keyboardを使っていたときと感覚的に変わらずにタイピングできている。頭の中の思考が指先を通して画面に表示される文字にアウトプットされる感覚だ。

初めて打ったときはやはり慣れないキーだったので、指が張ってしまったが、慣れるともう何の苦もなく打つことが出来る。35,000円もしたが、購入して正解だった。

Bluetoothの繋がり具合

アマゾンのレビューの方で、チャタリングだったが、Bluetoothの接続の悪さが指摘されていた。その原因がパソコン側のBluetooth4.0にあるらいしいということで、USB差し込みタイプのBluetooth5.0を購入してパソコンに差し込んだら、Bluetooth接続状態が良くなったというものだった。筆者のiMac 2017の仕様を調べてみると、Bluetooth4.1とある。これで大丈夫だろうかと購入前は不安ではあったが、今のところチャタリングも発生していないし、Bluetoothも問題なく作動している。

1度だけ、スリープ状態から立ち上げる際に、青いランプが長々と付いてなかなか繫がらなく、繫がった後もキーを打っても反応がなかったり入力が大幅に遅れたりすることもあったが、ローカルハードディスクの残りが30GBを切る状態でパソコン自体の動きがかなり鈍くなっていたのと、画像編集アプリを幾つか起動していたから、そのせいがあるのかもしれない。

それ以外では不具合は発生していない。短いスリープから立ち上がるときは、Apple Magic Keyboardよりも早く繫がるような体感が何度かあった。細かく測っていないからあくまで体感ではあるが。

1つだけ面倒なのは、パソコンの電源ボタンを押して長いスリープ状態から立ち上げる際には、キーボード後ろに手を滑り込ませてHHKBを起動させなければならない点だ。キーボードのいずれかを押せば電源が立ち上がるような仕様にしてくれれば楽なのだが。

様々なオプション品と25周年記念限定発売のニューカラー・キーボード

しかしこれだけでは終わりそうにない。25周年記念のイタリア製のオイルレザーを使用した革張ウッドパームレストや、キーボードを使わないときに被せておくケースも販売されている。とりあえずレビューで評判が良かったHHKB吸振マットHGを購入してみたが、iMacの台座と観賞しているので、より打ちやすくなるという効果の程は実感していない。

さて、先程HHKBで検索したら、25周年で雪色のキーボードが発売されるという。

Happy Hacking Keyboard生誕25周年特別記念モデルを限定販売 ~雪をイメージした純白カラーの最上級モデルをご提供~

これならiMacとも合いそうだ。もう少し待って置いた方が良かったか? しかしウン十年前に買って貰ったパソコンの懐かしい色合いのキーボード欲しさにこのグレーがかったホワイトを購入したので、後悔はしていない。

Apple Magic KeyboardからHHKBに鞍替えという表現を使ったが、公式サイトでもアメリカ西部のカウボーイは馬が死んでも鞍だけは持ち帰って使い続けていたという表現があった。馬とパソコンを消耗品に、鞍とキーボードを一生使えるインターフェイスに喩えた話だが、まさしくその通りで、パソコンを買い換えても一生使い続けたいキーボードに出会えた。これを機に更に精進して人々を魅了する文章を書き続けたい。