さてこの日はよく撮影に行っているレイヤーさんと、よく行くアミューズメント型スタジオで撮影。気温が連日30度超えで、大阪でも36度を記録する真夏日が続く中、やはり夏はクーラーの効いたスタジオが一番だなという認識がひろがりつつある(某公園にする?と聞けば99%の割合で断られる)。しかしレイヤーさんの体調が思わしくなかったのか、更衣室から出てきた時には病み上がりのような顔つきで心配になるほどだった。咳は頻繁に出るのだが体はしんどくないという。
いつもより顔も白い。本人も自覚していたが、使っているファンデーションはいつもと同じと言っていた。やはり体調が悪いのだろうか。
雨の中、宝塚に観劇に行ってきた話やポプテピピックのヘルシェイク矢野がアニサマに参戦する話などを交えながら、撮影していく。場所は難波の南西、大国町にあるハコアム大阪8階の期間限定マリンスペース。キャラクターは水泳アニメのFree!で、マリンの作り込みがよく似合う最適の場所だ。
撮っていったのだが、どうも何かしっくりとこない。あるえぇ?何だろうな〜何だろうな〜何でしっくり来ないのかな〜と疑問に思いながら撮り続けていった。何だろうな〜色素薄いな〜顔白いな〜背景パッとしないな〜何でだろうな〜何でだろうな〜。
しかしレイヤーさんに見せると「いいじゃない!」と言う。おぅ!と返事をするも、どうも何かが頭に引っかかって憑きもののように離れない。我ながら構図は良いし、明るさも良いのだが、ストロボの明るさの調整がなぜか難しい。ストロボ光が明るすぎるような感じもする。
とりあえず満足のいくものが撮り終えたので、階下の教室のスペースに移る。夕日が差し込んでる様な感じで撮って欲しいと言われたので、カメラの色温度を上げて、3灯のストロボにオレンジのカラーフィルターを装着して撮っていったが、どうもシックリとこない。更に色温度をマックスにあげてみるが、どうも色が薄い。
「前に撮った時ってこんな感じのオレンジだっけ」と聞いてみたら、「う〜ん、もっと夕陽っぽかったかな」と言われる。
ですよね〜。
・・・・・・。
しぃーんと静まりかえった教室の中で突然「ドゥドゥドゥドゥドゥっ!!ドゥドゥドゥドゥドゥっ!!」と何かの音が鳴り出す。よく聞いてみたら鞄の中から聞こえてくるスマホの着信音。レイヤーさんが鞄に近づく。でも自分じゃないと言い出す。レイヤーさんのスマホかと思ったら自分のスマホだった。電話に出て、手短に用件を済ませて電話を切り、再び撮影再開。
なんか今日おかしいよな〜と思いながら、そうだ、ピクチャースタイルを風景に変えたら夕陽っぽく撮れるかも知れないとカメラの設定を変えようとしたら
うわぁあああっ!!!
「え?どうしたの?データ間違えて全部消しちゃったの?」
違うんです!データ間違えて消しちゃったんじゃないんです!そう!忘れてたんです!彩度戻すの!前回の撮影でピクチャースタイルの彩度を-4に設定してて、それを0に戻すのを忘れてたんです!2時間超かけて四苦八苦しながら撮った写真データが全部彩度-4!彩度マックスの逆!原因が分かった途端に冷や汗がザーーー!!背筋がゾクーーーっ!!
「わー、むっちゃオレンジ〜」
設定を元に戻して、無事夕陽の教室に佇む七瀬遙が撮れました。
まぁそんなアクシデントをこなしつつこの日は撮っていった。RAW現像で撮っていたので、家に帰ってから画像を劣化させることなく彩度を戻すことが出来た。こういう場合も簡単に対処できるので、RAWモードで撮っておくのは何かと都合が良い。RAWに救われた形だ。
最近彩度をカメラのピクチャースタイルの設定で「−4」と最大限に下げて撮る事が多い。写真がシックになるというのがコスプレイヤーさんの好みに合うようで、度々彩度を下げて撮って欲しいと言われることもあれば、こちらから提案して彩度や色温度を下げて撮る事がしばしばある。
彩度を落としたままにしていた事に気づかなかった原因は、スタジオが白いスペースだったこと、小道具が水色などの寒色系だったこと、加えてコスプレイヤーさんの顔色が普段よりも白かったことや表情がしんどそうだったことなどが挙げられる。教室スペースに移って、夕日が差し込んでいるようなオレンジ色(暖色)の写真を撮る段階になって、どうもオレンジの色が普段よりも薄すぎると疑問に感じ、ようやく気づいたというわけだ。ストロボの光の調整が難しかったのは、液晶画面で確認して彩度が薄かったためだろうか。肌の色が薄いので暗めに感じ、それでストロボ光を明るくしたら今度はシャギシャギした感じで明る過ぎる設定になってしまったというところだろう。これもRAWモードで撮っていたので、後処理で少し暗く戻すだけで対処できた。
教室で引き続き撮っていったのだが、まぁ撮っている時というのは無心になるもので、何も考えずに目の前にあるものだけを見てひたすら撮っていった。何にも考えずに頭空っぽで撮ってたと打ち明けたら、レイヤーさんも「ヘルシェイク矢野のことばかり考えてた」と言っていた。まぁそういうものだろう。琴の奏者と同じで撮っている時はただひたすら無心になっていた。
撮影していく内にコスプレイヤーさんの表情もほぐれてきて、当初の病弱そうな顔つきから心なしか血色が良くなってきたように思われた。コスプレイヤーさんのお着替えが終わってから、苦手な白系廃墟スペースで撮ったが、ここでもまたストロボを使った別の撮り方を考案して、とても満足のいく写真が撮れた。レイヤーさんが画像を送ってくれたら、また新たに記事を設けて紹介したい。
確かこの撮影の二日後くらいに大阪でも1日遅れでFree!第3期の放送が始まった。撮影データは翌日にお渡しできていたので、Twitterで第3期放送おめでとうツイートをコスプレ写真と共に上げることが出来た。カメラの設定だけでなく、データをどれだけ早くお渡しできるかもコスプレ撮影では重要だ。
Adobe Lightroomで500枚~2000枚の写真補正を30分~2時間以内に完成させる補正テクニック!Lightroom RAW現像講座 人物写真編
ということで、撮影が終わったら、カメラの設定を戻すことを忘れない方が良いだろうという教訓が残せた一日でもあった。しかし連日の気温30度超え、最高気温36度前後の真夏日はいつまで続くのだろうか。まだ夏の始まりだが、これからずっとこの蒸し暑い日が続くのかと思うと少しげんなりする。外に遊びに行くにも一苦労。何でも2,30年前の夏は今よりももっと涼しかったそうで、過去の7月8月の気温の記録をTwitterに上げている人達もいた。クーラーの省エネ気温の28度設定も、なんとなくで決めたと厚生労働省だったか環境省だったか、上の人が発言したのがニュースになっていた。地球温暖化の影響だろうか。28度の設定では暑さはしのげなさそうだ。
筆者自身もこの撮影の翌日、4時間ほど扇風機だけつけて昼寝してたら、起き上がった時にやけに部屋の中が蒸し暑く頭もフラフラしてそれから2日ほど気分の優れない日が続いた。寝相が悪くて肩が凝ったのか、熱中症の軽い症状かは分からないが、皆さんも熱中症にならないよう水分補給をこまめにして、クーラーをつけてお過ごしください。やせ我慢して電気代ケチっちゃ駄目ですよ。よく言われていますが、熱中症になって救急車で病院に運ばれたら、一晩7〜8万くらいかかりますので。