リバーモールのローズガーデンがとても美しい造形で、休日のコスプレイベントの際に撮ってきた。薔薇のトンネルのようで、そこはまるで秘密の花園。天気も良く、薔薇も女の子も映える。
こういう素敵な場所に来ると、まずどう撮れば女の子が可愛く撮れるか、惑うことになる。薔薇の勢いに負けやしないか、心配になる。そこでバラ園で撮るときの注意点を洗ってみよう。作例はコスプレ写真になるが、今回のキャラクターはポートレートと同じ撮り方になるので、参考にして頂きたい。
- 背景をボカすか、薔薇全体もシャープに写すか。
- レフ板は白と銀どちらが有効?
- 全身、ニーアップ、ウエストアップ、どれが良い?
- 一般人に邪魔にならずに撮影する方法は?
- 薔薇とモデルが相乗効果で映える場所を探す。
全体をクッキリ撮るか、背景をボカすか
まず背景をボカすか、全体をシャープに撮るか。バラ園の隙間から見える背後にはお店やお客さんが写り込んだりもする。思いっきり暈かせばお店やお客さんも目立たない。F8で撮ると背景が遠いからボケてはいるものの、やはり人がいるなと分かってしまう。F2.2まで暈かせばなんとか誤魔化せる。
暈かせば,薔薇のボケ具合がとても幻想的で、秘密の花園にいるよう。そしてモデルの可愛さがとても際立つ。一方で背景の薔薇もくっきりと写したいという思いもある。クッキリと描写され得た薔薇の中に埋もれるモデルというのもいい。
レフ板は銀か白か
レフ板は晴れているときは白、曇っているときは銀が無難だ。晴れているときに銀だと明るすぎる。銀レフで人物を明るめに照らせば、カメラの設定を暗めにすることになるので、白飛びしやすい色の薔薇もクッキリと写せるのではないかという期待を抱いたが、やはり人物の方の明るさと描写が不自然になりがちだ。特にアシスタントがいない場合は、カメラバックにロールレフを立てかけるなどして斜め下からレフ板を当てることになるので、下からライトが当たっている勘が強調されることになる。
この点を和らげるためには、晴れた日は白レフを当ててやると、背景の薔薇と溶け込んだ自然な雰囲気が出てくる。銀レフを当てると逆にストロボを当てたのと同じような効果が出てくる。それはそれで肌は綺麗に写るのだが、ストロボを当てた感がする絵作りとなる。まれに晴れの日でも銀レフの方が良い効果が出るときもあるので、現場で臨機応変に対応しよう。
薔薇のトンネル。カメラ側からレフを当てると届かないので、通路にレフ板を置いた。その際は足下の花を下敷きにしないように気をつける。はじめはレフ板を当てることを諦めていたが、通路に置いて下から照らせば良いかということで、置いてみた。やはりキャッチライトが入ると,表情も生き生きする。レフを置かなくても瞳に映る空か何かがキャッチライト代わりになっているが、少し小さすぎるので、やはりレフ板を使って正解だった。F値は開放1.4とした。思いっきり暈かすとやはり秘密の花園の感じが出て幻想的で良い。
全身・ニーアップ・ウエストアップ、どこまでフレームに入れるべきか
全身、ニーアップ、ウエストアップ、どれでも良いが、レンズの焦点距離によっては全身で撮ると不自然で不安定になる可能性がある。特にこの場所は距離が取りにくかったので、全身を撮るときは、単焦点レンズから小回りの利くズームレンズに変えて撮った。それでもキチンと焦点距離とフレーミングを決めないと、安定感のないツーショットになってしまう。そういう点では、ニーアップやウエストアップ、特に横構図はフレーミングしやすいので、ついつい全身写真を撮るのが億劫になってしまう。
なんだかんだ言いながら、単焦点85mmで全身写真を撮ったりもした。
人の多い場所で撮る時のマナー
さて休日のバラ園。当然一般の人たちも多い。なるべく邪魔にならないように撮るためには、人通りが多くなりそうなら1箇所で場所を長時間占拠しないようにすること。撮影中に人が来たら率先して道を譲ることだろう。気が抜けない。パパッと撮ってしまうことが重要だ。
しかしF1.4やF2.2で撮るとなるとピント合わせも大変で、特にマニュアルフォーカスレンズだと難儀する。やはり背景を暈かして撮った方がポートレート風の写真は映えるので、絞るという妥協をしたくない。
あとは手ぶれの問題もある。焦って矢継ぎ早に撮ろうとすると、どうしても手ぶれが発生する。この点は冷静に構えて注意したいところだ。
薔薇との相乗効果が大きい場所を探す
初めての場所だと、どうしてもどこで撮れば良い写真が撮れるのか分からない。薔薇単体で撮るなら気楽だが、モデルと薔薇の双方となると、バラ園のどこにモデルを配置すれば極めて良い写真が撮れるかということを考慮する必要がある。薔薇の囲みに二人がスッポリと収まるような場所はないか、ということを念頭に探して撮ってみた。
5月の時期にはリバーモール・ローズガーデンの薔薇が美しく咲く。また来年、機会があれば訪れたい場所だ。