黒ホリゾントで背景をぼかして撮る!

黒ホリゾントで背景をぼかして撮ると、より綺麗に写る。
黒ホリゾントで背景をぼかして撮ると、より綺麗に写る。

以前F11まで絞って解像感豊かな写真を撮るという記事を書いた。あの時は確か背景は黒で、本格的な黒ホリではなく、黒い板の前で撮影した写真だった。

ポートレート撮影でF10まで絞る意味 -圧倒的な解像感を得る為の撮影法

別のスタジオ(ハコアム大阪)の8階に黒空間があり、ここで再びF8~10くらいでカリカリにして撮ってみた。上手く撮れたが、どうもストロボで色づけした黒壁が傷やら何やらそのままの形で映りすぎていて、もう少し綺麗に撮りたいという欲求に駆られた。

このままでも良かったし、RAW現像で黒を引き立たせれば或いは良い仕上がりになっただろう。しかしRAW現像で黒を引き立たせると人物の方に影が出やすい。黒髪だとか目の部分だとか、衣装や影になっている部分だとか。余り全体的に黒を強調するのも、写真全体のイメージが崩れてしまう。

さて試しに開放F1.4で撮影してみた。使用レンズはOtus1.4/55で、焦点距離は55mm。すると後ろの背景がうまく暈けてくれて、黒壁の傷も消えてなくなり、良い感じに空気感も出て雰囲気のある綺麗な背景となった。Otusなので、開放からの描写も抜群でシャープネスが強く、人物が綺麗に浮きだっている。F値を絞って撮影した時よりもむしろこちらの写真の方が良いかも知れない。片側からのみソフトボックスで光を当てたので、程よく陰影がついて立体的に見える点も、写真の良さに寄与しているのだろう。影を緩和するために、両側からソフトボックスとアンブレラを当てたライティングでも撮影してみた。

どちらのF値で撮るかは好み次第という事になる。F1.4の開放撮影が心許ないなら、F2.2まで絞ってレンズの解像力を引き出してみても良いだろう。F値を少し絞ろうか迷ったが、Otusだったので開放で撮影した。

しかし黒部屋で明かりもついていない場所ではピント合わせに難渋する。ここでは無理せずにライブビューと露出シミュレーション機能を駆使してピントをガッチリと合わせた。相変わらずシャッターを切った後で背面液晶画面に表示されるテンポが遅いが、そこは開放F値1.4でピントをガッチリと合わせたいので目を瞑って、シャッターを切っていった。もちろん実際の目はきっちりと開けてモニターを見て撮っている。