etoile studio

肌色調整の微妙な差異 〜色味を調整する時しない時〜

背面液晶画面の色味とパソコンのディスプレイの色味の差異を是正すべきか。

背面液晶画面の色味とパソコンのディスプレイの色味の差異を是正すべきか。

RAW現像するときに肌の色味を調整するのだけれど、iMacに変えてから、5K Retinaディスプレイの恩恵で画面がより精細になり、より美しく写真を鑑賞できるようになった。しかし慣れないパソコンとディスプレイでRAW現像をするのは、初心者に戻ったような感覚にさせる。

少し前のことになるが、スタジオでソフトボックスを使って撮影した写真をパソコンに取り込んで、肌の色味を確認したら、このままでもお渡しできるのではないかという感じの色味だった。しかしデータをお渡ししてから、改めて写真を見てみると、やはりいつものように少し冷たい方向にホワイトバランス微調整を施しておけばよかったかなと後悔した。

直近の撮影データも、パソコンに取り込んで確認して見たら、これは肌色調整はいらないんじゃないだろうかと思ったが、1時間ほど経ってから再度同じ写真を見てみると、やはり冷たい色の方向にホワイトバランス微調整をした方が肌の色が整うのではないだろうかということになり、実際にその処理を施した。

撮影現場で液晶画面で見るぶんには理想的な肌の色に仕上がっているのだが、家に帰ってパソコンに実際に取り込んで見ると、肌の色がやや暖色気味に寄っている。ややオレンジっぽいのだ。スタジオでソフトボックスやアンブレラを使って撮るときはいつもこうだ。

さて、データを翌日にお渡しして、実際にレイヤーさんがその日のうちに写真をツイッターにあげてくれたが、当然ながらiPhoneで見ても色味に問題はなかった。Androidや他社製のパソコンなどデバイスによっては色味が微妙に変わってくるし、ディスプレイの経年劣化によっても色は微妙に変わるが、そこまで想定に入れていては埒があかない。キャリブレーションする方法もあるが、とりあえず今はこのままで問題ないだろう。

過去にRAW現像したデータを見返す機会があったが、それらの写真の中には、肌の色にわずかな緑が残っている写真も見受けられた。数年前のデータで試行錯誤していた時期だったので、詰めが甘かったのかもしれない。5K Retinaディスプレイの環境になってから、表現が精細ゆえにより厳しい目でデータを見るようになった。

つい先日のことになるが、ツイッターでセクシーなコスプレ写真が流れてきた。肌の色味がほのかに赤く、やはりこういう肌の色味の写真が自然かなぁと思ったのだが、他のコスプレ写真を見てからもう一度見てみると、やはりもう少し冷たい色の方に寄せた方が理想的かと考え直した。どうも自分が理想とする肌の色味の軸が、時間や他の写真に影響されてあっちへ行ったりこっちへ行ったりする。

しかしながら、実際に肌の色味の調整なしでお渡しした写真でも、やり直しを提案したら、色味が気に入っているので必要ないと言ってくれたので問題はないのだろう。

また別の日の撮影データでは、彩度を落として欲しいと言われた。作品の雰囲気のこともあるが、レイヤーさんの顔の色味がやや赤いので、彩度を落とすとちょうどいい色になるという側面もあるということだった。

シックな感じに仕上げるために、カメラのピクチャースタイルの設定から彩度を−4に設定した。家に帰ってからキヤノンの純正RAW現像ソフトで彩度を基準値の0に戻して見たら、確かにツーショットの彼女の方だけ、顔の赤みが強い。普段ならホワイトバランス微調整でブルー寄りに調整するが、今回は彩度を−4に設定していたので調整する必要はなかった。

撮影現場で彩度を落としてみて分かったのだが、カメラ内でのピクチャースタイルの設定は、整数で±4の幅でしか調整できないので、ゼロコンマの細かい調整ができない点と、もっとシックな色にしたいときに、−4以上に調整できないのが難点だ。今回撮影した作品も、スタジオの雰囲気と合わせるならもっと彩度を落としてシックにしても良かっただろう。DPPを使えば、光の三原色のアイコンが表示されているタブをクリックすれば、色調整の項目が出てきて、彩度をカメラよりもダイナミックに調整することができる。

色相と彩度、各色のHSLを自由自在に変更可能。

色相と彩度、各色のHSLを自由自在に変更可能。

いっそのことキヤノンに付属しているアプリを使って自分でピクチャースタイルを作ろうかとも思ったが、数年前にそれをやろうとして難渋したので放棄した記憶がある。しかし様々な撮影環境下で撮影したコスプレ写真に最適なピクチャースタイルを自作する試みは、これはこれで面白いかもしれない。

というわけで、肌色調整の有無は、場所やライティングやカメラの設定によってまちまちであることを備忘録としてここに記しておく。また何か新しいやり方を導入すれば、この方法論は変わるかもしれない。