観ているだけでハイテンションで幸せな気分になれるアニメ映画。中二病真っ最中のキャラクター達がどれも可愛くて面白い。一通り悩んだあげく、最後はハートウォーミングな結末に導かれるところなども良い。
元々主人公達の住まいは古い公営団地。このあたりもリアリティがあって良いし、団地マニアとしても心かき乱されるところがある。
今回は京都や神戸、北海道などの名所もアニメの中に登場する。2人が駆け落ちするように日本中を巡るのだが、見慣れているJR京都駅だったり、伏見稲荷大社の頂上ではないけれど一番見晴らしの良い広場と鳥居のセットを観た時は、二度ほど訪れた場所だったので胸が躍る。
そして神戸ではガストとサイゼリアを足して二で割ったような内装とメニューのファミレスが登場する。さてどこだろう、脇にはココア色の車両(通称:マルーン)でお馴染みの阪急電車が走っている。どことなく窓の外の風景から、Free!聖地巡礼の帰りに皆で寄った神戸のファミレスと雰囲気が似ていたが、あれはロイヤルホストだったし近くに阪急の電車は通っていなかったから、また別のファミレスかなと地図で調べたりしてみたが分からない。
『中二病でも恋がしたい』シリーズはまだ見ていない話もあるが、この映画がシリーズ最後ということらしく先にラストを拝ませて貰った。中二病を発症した登場人物達が炸裂させる妄想と打打発止のやりとり、荒唐無稽なストーリー展開は観ているだけで元気が湧いてくる。涼川りんのギャグ漫画『あそびあそばせ』の中で遊び人四天王の話になった際に「その人中二病の倍の年齢で中二病発症しちゃったんじゃない?」というセリフがあったが、小鳥遊六花の中二病はどこまで続くのだろうか。
ラストでは、第一期のオープニング曲が流れて終幕。このあたりも粋な演出だなとジーンときてしまった。
劇場では見逃してしまったので、有料動画配信サービスを介してテレビで視聴したのだけれど、アニメ映画はテレビで観ると、テレビアニメそのままだった。実写映画はテレビで観ても映画っぽい雰囲気はあるのだが、アニメはアニメのままだった。劇場の大きなスクリーンで観ておきたい作品だった。