おそ松さん六つ子併せの撮影が決まったとき、ギャグアニメだったら、魚眼レンズとか持って行った方が良い?とレイヤーさんに聞いたら、即座に「いや、いい」とキッパリ言われた。久々に魚眼レンズ登場の巻かと期待が膨らんだが、彼女のとっさの一言で一気に萎んだのだった。
とはいうものの、諦めきれない。せっかくのギャグアニメなのだから、何か面白い写真が撮りたい。何でも前に撮影して貰ったときは、余りの寒さで公園のパンダの遊具にまたがって、スローシャッターで音速で遊んでいるように撮って貰ったという。
ではうちもこれで行こう。
撮影も中盤にさしかかり、公園で撮ろうとなった。十四松が公園の遊具に跨がって遊んでいるところを撮って欲しいという話になり、早速ズームレンズでスローシャッターで撮ってみた。
シャッタースピード0.5秒のスローシャッターに設定して、ズームを望遠から広角に回しながら撮ると、このようなマンガの集中線のような写真が撮れる。スローシャッターのせいか、黄色のパーカーが若干白飛びしている。明るさ調整の為、絞り値はF13まで絞ったが、まだまだ明るかったみたいだ。データを見返して思ったのだが、黄色は、多の色のパーカーと比べて、白飛びしやすい。
次は同じ動作に加えてカメラそのものを回して撮ってみた。
地元の写真家、ハナヤ勘兵衛(1903-1991)の「ナンデェ!!」ような写真が撮れた。あそこまで多重露光ではないが、なんとなく雰囲気は似ている。十四松祭りの回は、シルヴァスタインの絵本「僕を探しに」のような、アイデンティティを模索する何とも哲学チックなストーリーになっていたので、十四松はこれくらい変わった風に撮るのも良いかなと思った。ウルトラマンが変身するときのシーンみたい。
風景写真ではスローシャッターや多重露光などを活用した写真が多い。コスプレ写真でも時間があれば実験的な写真を撮っていきたい。